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[特集]

重低音で炎を消す消火器を発明、注目集める越僑青年

2015/04/12 07:37 JST更新

(C)Dan tri,Alexis Glenn/Creative Services/George Mason University、ベトさん(左)とセスさん
(C)Dan tri,Alexis Glenn/Creative Services/George Mason University、ベトさん(左)とセスさん
 重低音で炎を消す消火器を発明した米国越僑の若者が、今米国のマスコミに注目されている。ジョージメイソン大学電気・コンピューター工学科の大学院生ベト・チャンさん(28歳)だ。

 ベトさんと学友のセス・ロバートソン(Seth Robertson)さんが共同で開発したこの消火器は、消防界に革命を起こすと期待されており、2人とこの重低音消火器は、マスコミから引っぱりだこになっている。2人は重低音消火器の開発に1年以上の時間をかけ、自費を投じてきたという。

 動画共有サービスYouTube(ユーチューブ)上に投稿された、2人が重低音消火器を使って炎を消す動画は、瞬く間に関心を集めて再生回数は200万回を突破した。

 CNNは、30~36Hz(ヘルツ)の低周波が炎から酸素を切り離す効果があることから、重低音消火器のアイデアを得たというベトさんとセスさんの話を伝えている。また、テクノロジー情報サイトのCNETは、消火に音の力を応用した大きな成果だと強調した。

 CNETによると、このアイデアは国防総省国防高等研究計画局(DARPA)が2012年に実験で証明したことがある。電磁波と音波を使って小さな炎を消すことはできたが、DARPAの研究者らは実際の消火活動に導入するにはまだ時間がかかるとしていた。CNETは、手で持つことができ、粉や泡、水を使わない消火器は歴史上初めてで、DARPAが実験で使用した移動が困難な巨大な装置に比べ非常に便利、と絶賛している。


 また、米ニュース雑誌「タイム(Time)」、米インターネット新聞「ハフィントンポスト(The Huffington Post)」、米紙「USAトゥデイ(USA Today)」、英紙「デイリーメール(The Daily Mail)」もニュースとして報道した。テクノロジー系のブログやソーシャルネットワーク(SNS)上も、この話題であふれている。

 米紙「ワシントンポスト(Washington Post)」は、メリーランド大学防火エンジニアリング学科のケネス・E・イスマン(Kenneth E. Isman)教授が「規模の問題が非常に重要」と指摘したことを伝えた。イスマン教授は、この装置がより大きな火災に対処し、木材、紙、金属、電気設備など様々な材質の火災に効果を持つように改良されることを期待しているという。

 ベトさんとセスさんは今後、大きな火災や条件の厳しい火災にも対応できるよう研究・開発を続け、製品として完成させたいと話す。また、正式に特許を取得して商品化も目指している。 

[Dan tri,30/03/2015 - 15:01,O]
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