[特集]
ロンドンでバインミーレストランを立ち上げたエリート女性
2014/12/28 07:26 JST更新
(C)VnExpress、バン・チャンさん |
バン・チャンさんは、英国のオックスフォード大学を卒業し、ロンドンで銀行に勤めるバリバリのエリート女性だったが、その職をなげうってバインミー(ベトナム風サンドイッチ)レストランを立ち上げた。
ハノイで暮らしていた時は毎朝、母親と共に市場に出掛けていた。留学時代、東ロンドンにあるブロードウェイマーケットを訪ねる機会があった。ベトナムの伝統的市場のような雰囲気で様々な食品が売られていたが、ベトナムの食べ物は全くなかった。この時、起業するというアイデアの種が生まれた。
何を売ればいいかを考えたバンさんは、バインミーを選んだ。「外はフランスパン、中はベトナム風で調和が取れている」と思ったから。2008年に友人のトゥイ・アインさんと共に、小さな屋台をブロードウェイマーケットに出した。当時はまだ銀行勤めをしており、3年間毎週土曜日に営業していた。
バンさんは2011年に、安定した銀行の仕事からレストラン業への転進を決意する。こうして最初の店「バインミー11」が誕生した。苦労したのは、ベトナムの味を維持しながら地元の人の舌を満足させることのできるレシピを研究することと、出店する場所選びだった。
ターゲットの客層は地元市民に設定した。そのためベトナム人が多く住む地域ではなく、オールドストリートとエルムストリートに店を出した。店では皿飯やブン(米粉麺)も売っているが、最も売れ行きが良いのはやはりバインミーだ。価格は5~6GBP(英ポンド)(約930~1120円)。
バンさんの店は英国のメディアの注目を集めた。バンさんは大手新聞「ザ・ガーディアン」から「ヤング・ブリティッシュ・フーディー」の称号を受けた他、テレビ出演も果たした。さらにバンさんとアインさんで「ベトナミーズ・マーケット・クックブック」という本も著した。
バンさんは将来の構想を「ベップ(キッチン)・コレクティブ」と名付けている。これにはバインミー11をはじめとし、「ベップ・ハウス」、「ベップ・ソーシャル」、「ベップ・イベント&ケータリング」などが含まれる。さらにベトナムの食材を世界に広める「ベップ・グローサリー」計画もある。
バンさんはベトナム語の「バインミー」を多くの人に知ってもらうため、あえて英語に訳すことはしなかった。現在この言葉は、オックスフォード英語辞典やアメリカンヘリテージ英語辞典に掲載されている。
[VnExpress,20/12/2014 | 10:30 GMT+7,O]
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