[特集]
ミツバチを連れて地方巡りが仕事、養蜂に魅せられて
2014/09/21 07:40 JST更新
(C)Dan Viet、養蜂箱を検査するサンさん |
養蜂家のレ・スアン・サンさんは、各地方を巡るのが仕事だ。西北部ライチャウ省ライチャウ市に自宅があるが、そこにいられるのは年に2か月ほどしかない。たとえ自宅にいても、養蜂の仕事で忙しくしている。
取材で訪れた記者はすぐに養蜂場に案内された。サンさんは養蜂箱を一つずつ開けて検査していく。動作はとても素早い。10個ほどの養蜂箱の検査を終えると、従業員に仕事の指示を出した。
彼の様子を見れば、ミツバチをどれほど愛しているかが分かる。サンさんは、養蜂は小さい子供を育てるのと同じように手間がかかるが、そうしなければ良い結果は得られないと話す。ただ、養蜂はわずかな投資で、大きな利益が得られるという。
養蜂箱1つを作るのに約100万VND(約5100円)の費用がかかるが、1年で元が取れる。ミツバチは自分で蜜を集めるため餌は不要だ。最も重要なのは、適切な場所に移動して養蜂することで、これがうまくいけば成功するという。
サンさんは、各種のミツバチや花を集めて研究したり、ハノイに出向いて養蜂の正しいやり方を学んだりした。その結果、性格が穏やかで集蜜力が高いイタリアン(セイヨウミツバチの一種)と野生のミツバチの2種類を飼育している。今ではミツバチのコロニーが400個以上になり、毎年約24tの蜂蜜を収穫し、売上は10億VND(約510万円)以上に上る。
サンさんは紅河デルタ地方タイビン省で生まれた。周囲の養蜂家の家に行っては飼育法を学び、自分で養蜂箱を作ってしまう子供だった。青年になると、西北部ディエンビエン省で国境防衛の任務に就いた。国境地域は養蜂には最適の地で、サンさんはその後の10年間、勤務場所が変わっても片手間に養蜂を続けた。
1989年に、養蜂の仕事に専念するため軍隊を退役した。当時蜂蜜の需要はまだ多くなかったが、養蜂は有益で必要な仕事だと信じて取り組んだ。ラオカイ市に拠点を置いたのもこの頃のことだ。
自宅を作っても、各地を移動する生活に変わりはない。サンさんは「もし1か所に留まれば、この事業は成り立ちません。ミツバチが働くのなら、養蜂家も各地を移動しなければなりません」と語った。
[Dan Viet,06:59 - 11/9/2014,O]
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