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[特集]

美味しいおこわは「おいしい商売」、月収は銀行員の3倍

2014/08/10 08:00 JST更新

(C) Tien Phong, Mさんの売るおこわ
(C) Tien Phong, Mさんの売るおこわ
(C) Tien Phong, 毎朝賑わうおこわ売り
(C) Tien Phong, 毎朝賑わうおこわ売り
 ハノイ市ホアンマイ区の道端で「おこわ」を売るMさんとあれこれ話していたときのこと。計算してみると、彼女の月収が1500万~1700万VND(約7万4000~8万3000円)にもなることがわかり、大変驚いた。この額は銀行員の平均月給の3倍にもなる。  彼女のおこわは人気で、早朝売りに出て、朝9時には売り切ってしまう。彼女が扱うおこわは種類が豊富で、甘いものから塩からいものまで7種類もあり、毎日寄っても飽きない。安くて手軽に食べられるおこわは朝食の定番で、どのおこわ売りのところにもひっきりなしに客が足を止める。  おこわ売りのMさんは、天気ばかりを気にしている。毎日10kgのもち米を用意するが、売れ行きの良い雨の日や涼しい日は多めに炊く。彼女の売る7種類のおこわはどれも1食1万VND(約49円)だ。 「緑豆の甘いおこわが一番儲かるね。もち米1kgと緑豆600gあれば、2kgのおこわができる。もち米は1kg3万VND(約147円)、緑豆やそのほかの材料を合わせて全部で8万VND(約390円)ぐらい。ざっと計算すると、もち米1kg当たりの利益は12万VND(約590円)てところかな」とMさんは明かしてくれた。他のおこわは1kg当たり4万~5万VND(約196~245円)の儲けになるという。  だが、客の心を掴むには、材料選びからおこわの炊き方、トッピングなど、そこにしかない味を持つ必要がある。「もち米はいいものを選んでる。トッピングもこだわって作っているし、衛生にもものすごく気を使っているよ」とMさん。売れ残ったことはないという。

 彼女は毎日夜中まで起きておこわを炊き、夜も明けないうちに起きて仕上げをして、早朝から売りに出かける。「おこわは炊いた後、傷まないように冷まさなきゃいけない。炊けたら4時間冷まして仕上げをするので、夜中まで起きて、またすぐ朝起きなきゃいけないんだ」とMさん。  彼女によると、毎日だいたい50万~60万VND(約2450~2940円)の利益があるという。ハノイ市都市部の最低賃金は月額270万VND(約1万3300円)。これを彼女は僅か5日で稼いでしまう。  立派なオフィスビルで働く銀行員の月給は、役職にもよるが、平均して700万~800万VND(約3万4000~3万9000円)程度。カウザイ区にあるV銀行の行員フエン・チャンさんは、「みんな行員は高給取りだと思っているけれど、入行したばかりの頃は他の職業と変わらない。入行1年目の私の月給はたった300万VND(約1万4700円)よ」と嘆く。Mさんはおこわを売って、彼女の5倍も稼いでいることになる。  もちろん、Mさんほど稼ぐには腕も必要だろうが、場所代のかからない道端の美味しいおこわは「おいしい商売」でもあるようだ。 

[Minh Thư, Tien Phong 13:05 30/07/2014 S]
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