音楽界のサラブレット、16歳の天才バイオリン少女 [特集]

（C） dantri,　ドー・フオン・ニー

　著名な音楽家レ・ミン・ソンの姪で、幼くしてその開花させた16歳の天才バイオリン少女ドー・フオン・ニーは、現時点で最も若く優秀なベトナム人バイオリン奏者の一人として評価されている。

　昨年7月末に行われた「トヨタ・クラシックコンサート2013」でホーチミン市民劇場のステージに立った彼女は観衆から惜しみない拍手を贈られた。彼女がこのコンサートに出演するのはこのときが2度目。1度目は2011年、当時13歳の彼女の演奏に観衆は度肝を抜かれた。

　この時彼女は大胆にもジョルジュ・ビゼーやヨハン・シュトラウス、ルロイ・アンダーソンなど偉大な作曲家による古典的作品を演目に選んだ。この時の演奏は観衆たちの心に強い印象を残すものだった。

　ニーは1998年、音楽家一家に生まれた。父親はベトナム国家音楽院で教鞭をとり、母親はベトナム国立交響楽団のコンサートマスターを務めていた。誰より有名なのは彼女の叔父レ・ミン・ソンだ。2004年に「今年の作曲家賞」を受賞するなどベトナムを代表する作曲家として知られている。

　ニーはレ・ミン・ソンのことを「おじさん」と呼んで慕っている。生まれたときから音楽に親しんできた彼女は非常に幼い頃からその才能を露わにし始め、4歳になる頃にはプロの音楽家に師事。2010年には、奨学金を得て、ノルウェーのオスロにあるバラデュー音楽学院に留学した。

　彼女について日本人指揮者の本名徹次氏はこう語ったことがある。「おてんばで個性的、かつ才能にあふれた子です。ベトナムではまれにみる才能です。2011年のトヨタコンサートツアーより前は、少なからずの観衆が彼女の能力に疑問を持っていました。しかし、ベトナム国立交響楽団との共演や、ベトナム・ノルウェー友好コンサートなど名だたる機会に説得力のある演奏を披露したことで実力を証明しました」

　ニーはクラシックを学んではいるが、年頃の女の子らしく流行の音楽をはじめ様々な種類の音楽を聞くという。叔父であるレ・ミン・ソンの曲のファンでもある。叔父もまた、彼女を気にかけ姪の公演活動をいつもサポートしてくれているそうだ。

このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。