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[特集]

ミセス・パイロット、エアバスの副操縦士に就任

2013/11/10 07:32 JST更新

(C)Tuoi tre
(C)Tuoi tre
 「このほど小型旅客機から中型旅客機の担当に変わりました」。グエン・ティ・タイン・トゥイーさん(31歳)は、うれしそうにこう話した。これまで座席数60~70席のATR72型機の副操縦士をしていたが、エアバス321(座席数200席前後)の副操縦士になったという。  ベトナム航空には約500人のベトナム人パイロットが在籍しているが、女性パイロットは10人ほどにすぎない。2005年に初めて女性パイロットの候補者を採用して訓練し、2008年から搭乗させている。  トゥイーさんは、ベトナム人女性として国内で初めて育成されたパイロットの1人だ。ショートカットの髪型と大きな目で少し幼さの残る顔立ちにもかかわらず、その姿はとても凛々しい。  トゥイーさんは2004年にハノイ国民経済大学を卒業した時、女性パイロット募集のことを知った。応募資格は「身長1.6メートル以上、体重48キログラム以上、健康であること」と実にシンプル。病気をしたことがなく旅行好きだった彼女は、軽い気持ちで応募した。

 試験は◇書類審査、◇一般健康診断、◇面接試験、◇詳細健康診断、◇数学・物理試験の5次まであり、7人の女性が合格した。この後の訓練の中で苦しかったのは遠心力訓練だ。頑健な体を持つ男性候補者でも、吐き気や目まいを起こす厳しいものだった。1年半にわたる訓練の最後に試験が行われ、フランスでさらに2年間の訓練を積む候補者が選ばれる。女性候補者で選ばれたのは7人のうち2人だけだった。  パイロットには洞察力、決断力、正確さ、勇気、注意力などの資質が求められる。トゥイーさんはこの5年間、幸いにも事故に遭遇することはなかった。しかし操縦室に入る時は、必ず最悪の事態に備える心構えを持つという。  「訓練中、私達は理論と事故対応の実技を学びました。例えばエンジンが故障したり火災を起こしたりした場合にどう対応すればよいか、乗客の体調が急変した場合にどうするばよいか、といったことです。パイロットは残りの燃料を考慮して、安全に着陸できる最善の空港を迅速に決定しなければなりません」  トゥイーさんはパイロットになってから出産のため休暇を取った。復帰に当たって、再び厳しい訓練を受けなければならなかった。パイロットと母親の顔を持つ彼女は、「飛行機の操縦は楽しそうと思われているようですが、実際には緊張の連続です。無事に着陸することが最大の喜びです。着陸後はすぐに家に帰って、子供を抱いたりご飯を作ったり普通の母親のする家事がしたくなります」と語った。  

[Tuoi tre online,20/10/2013 13:05 (GMT + 7),O]
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