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[特集]

麻薬犯罪潜入捜査官は現役女子大生

2013/11/03 08:25 JST更新

(C)  tuoitre
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 ホーチミン市警察麻薬犯罪捜査課(PC47)の女性捜査官たちは、普段は笑顔を絶やさず、一見するとまだ学生のような幼さを残している。しかし、彼女たちこそが潜入捜査を支える影の功労者なのだ。  24歳のレ・クインは、ピンク色の肌に大きな丸い目、すらりとした体つきの女性捜査官だ。顔は高校生のようにあどけない彼女だが、PC47の女性捜査官たちの中でも指折りの武術の使い手だ。「ゴールド・ダンスホール(ホーチミン市1区のディスコ)の立ち入り検査に参加したことがあるんですが、他の男性刑事が私のことを客だと思って、ずっと追いかけて来たんです。しばらくしてようやく捜査官だと分かってもらえました」クインは笑いながら語った。  警察学校に入って間もなく、クインは麻薬捜査科に配属された。高校時代に古武術やシラット(東南アジアで盛んな伝統武術)、ボクシング、ボビナム(ベトナム武術)などを習ってきた彼女だが、警察学校でテコンドーをも習得した。  「か弱い女の子にしか見えない彼女ですが、それが潜入捜査では逆に武器になります。麻薬売買の現場では、男性捜査官は警戒されて勘付かれてしまう。知らない顔があれば、すぐ分かりますから。そんな時、彼女なら相手の警戒心を解き、入り込めるのです」彼女の上司はそう教えてくれた。

 潜入捜査官として働いて既に4年、どの事件もそれぞれ異なる試練だったが、その中でも、2012年末のフィリピン人による麻薬密輸ルートの摘発は最も忘れがたい事件だという。「4キロ近い麻薬をベトナムに持ち込んで逮捕されたフィリピン人の女が、5区のホテルで取引をする予定だと供述したため、この女と共に取引現場で取引相手を待ち伏せしたのです」彼女の任務は、フィリピン人の女の監視と、麻薬を受け取りに来た相手を取り押さえることだった。  同じような場面は幾度も経験していたが、それでも彼女は不安を拭えなかった。「相手がどのような人間かも分かりませんし、同行人がいる可能性もあります。隣の部屋に援護班がいると分かっていても緊張しました」  不覚にも相手に捕まって援護が間に合わなかったら・・・同行人がいたと仮定して、それが男性で、銃を所持していたらかなり危険だ。様々な考えが頭の中をよぎった。援護班からは、もし容疑者がスーツケースを奪い取ろうとしたら、ただちにドアを開けるよう言われていた。ホテル内には監視カメラを設置、何人もの潜入捜査官が配置され、24時間体制で彼女の援護にあたった。  緊迫した状況の中、昼夜を問わず部屋で待機した。「全く眠れませんでした。午前3時か4時ごろに廊下で足音がして、容疑者が来たと思いましたが、その時は結局誰も来ませんでした」クインは当時を思い出して語った。そして、3日目の晩、容疑者は現れた。相手はフィリピン人の女性だった。容疑者がスーツケースを受け取る瞬間、クインは容疑者を取り押さえ、それと同時に隣の部屋に待機していた援護班がなだれ込んできた。  「武器には頼らず、援護班と自分の力を信じていました。事件が解決して、やっと皆に笑顔が戻り、私もぐっすり眠れるようになりました。皆、最悪のケースを想定して、私が死んだらどうしよう、と不安と闘いながらずっと援護していてくれたんです」クインは笑顔でそう語った。彼女は今、警察大学に通いながら、ホーチミン市人文社会科学大学で英語を学んでいる。 

[MY LANG - MY THUONG TUOITRE 02/09/2013 12:23U]
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