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[特集]

メコンデルタの養殖王、裸一貫から大企業の会長に

2013/10/27 08:12 JST更新

(C)Nguoi lao dong
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 メコンデルタ地方ドンタップ省ビンタイン工業団地にあるフンカー株式会社は、チャ魚やバサ魚(共にナマズの一種)を養殖、加工し輸出する国内の大企業として知られる。ドンタップ省ホングー郡の貧困家庭に生まれてから成功するまでのチャン・バン・フン会長(54歳)の足跡をたどる。  フン氏が生まれてからしばらくは家も土地もなく、両親はフン氏を連れて寺や集会所を泊まり歩いていた。唯一の財産は魚網だけで、エビを捕っては日銭を稼ぐ暮らしだった。フン氏は学校をやめ、淡水魚を捕って生計を立てようと決意する。カンボジアに渡り、トンレサップ湖で魚を捕っていたクメール人の漁民の元で修行を積んだ。  魚群の通り道の予測、捕った魚の保存や加工の方法などを身に付け、やがて40メートル離れていても水面に現われさえすれば、魚の種類を見分けることができるようになった。賃金の一部は両親に送金し、できるだけ節約して残りで金(きん)を買った。数年で約30テール(1.125キロ)の金が溜まったので、自分の漁船を購入し引き続き仕事に励んだ。  約1000テール(37.5キロ)まで金が溜まった時、フン氏は故郷のドンタップ省に帰ってチャ魚を養殖することを決断する。種魚選びを慎重に行い、餌を与える時間や量を調節して余った餌で水が汚れないように工夫し、誰もケチをつけられないような品質のチャ魚を養殖できるようになった。

 次の問題は、どんなに品質が良くても当たり年には加工工場から買い叩かれることだった。フン氏は自分で加工工場を持ち、輸出できるまで規模を拡大することを目標に掲げた。さっそく休耕田を借り受けて養殖池を掘り、農民を雇って給与を払った上で利益の20%を分配した。  この方法で省内の25地域に養殖池を設けて原料を確保できたところで、念願の加工工場の建設に踏み切った。工場は1日当たり350tの処理能力がある。主な輸出先は、欧州連合(EU)、日本、アラブ諸国などだ。  こうして2006年2月にフンカー社が正式に設立された。社名はフン氏のニックネームだ。現在フンカー社では4000人が工場で、1000人が各地の養殖池で働いているが、ほとんどが農家の出身だ。  チャ魚の養殖農家の多くは赤字に悩まされているが、フンカー社の場合は異なる。その理由を尋ねると、フン氏は「種魚の選択、給餌方法、水質管理、外国で禁止されている薬品の使用などの自らの誤りが、赤字の原因になります。さらに勉強を続けて、故郷や農民達をもっと豊かにしますよ」と答えた。  

[Nguoi lao dong online,19/10/2013 20:22,O]
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