[特集]
逃亡21年の殺人犯を逮捕、刑事の地道な努力実る
2013/06/23 08:32 JST更新
(C)Dan tri、グエン・タイン・チュン少佐 |
メコンデルタ地方カントー市警察指名手配警察課はこのほど、21年間にわたって姿をくらましていた殺人事件の容疑者を逮捕した。この成功の影には、1人の刑事の地道な努力があった。
事件は1992年2月に起きた。メコンデルタ地方アンザン省チョモイ郡キエンアン村に住むグエン・タン・タイ(事件当時17歳)が人を刃物で刺し殺して逮捕されたが、拘留中に逃亡した。
指名手配警察課刑事犯追跡班班長のグエン・タイン・チュン少佐(39歳)は、警察に入ってからずっとこの事件に取り組んできた。少佐は「学校を出てすぐに刑事犯追跡班に配属され、タイ容疑者の行方を捜すよう命令を受けました。その時はこれが21年間も続く困難な仕事になるとは思ってもみませんでした」と振り返る。
チュン少佐が困難と言うのには理由がある。タイ容疑者は今回逮捕される前に、実は5回も窃盗や傷害などの容疑で逮捕され刑罰を受けていたからだ。逮捕の場所にはお膝元のカントー市トットノット区も含まれる。同容疑者は逮捕される度に名前や年齢を偽っていたため、指名手配されている殺人容疑者と気付かれなかったという。
少佐によると、追跡命令を受けた時の手がかりは、氏名と当時の住所だけで他には何もなかったという。海の底で針を手探りで探すような捜査だ。タイ容疑者の実家のある地元警察でさえ事件のことを忘れ、同容疑者が暴力団に殺されたとの噂が流れたこともあった。
チュン少佐は「絶望して迷宮入り事件として処理しようと思ったことが何回もありましたが、『あきらめるな』という声が聞こえました」と語った。そして2013年4月末、メコンデルタ地方ハウザン省ガーバイ町で物乞いをしている男がタイ容疑者に似ているとの情報がもたらされると現場に急行。事件発生から21年後の逮捕となった。
この仕事には専門的な能力や仕事への情熱の他、金、女、麻薬など犯罪者側が提供する甘い誘いを跳ね返すだけの強烈な職業意識も必要だ。脅迫を受けたり、逮捕時に負傷したりすることもある。少なくない同僚達が、より安全で仕事の楽な部署に異動していった。
つらいことが多いのに何故この仕事が好きなのかとの問いに、少佐は「苦労して探し出した容疑者を逮捕できた瞬間の喜びは、言葉で表現できないほどです。地域の人々の安全な暮らしを助けることに貢献できますし。それに容疑者を逮捕すると多額の賞与が出るんですよ」と笑って答えた。
[Dan tri,02/06/2013 - 09:29,O]
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