[特集]
ニワトリにクラシック聞かせて鶏卵の品質向上図る青年
2013/03/31 07:38 JST更新
(C)Tuoi tre,Ngoc Hau |
ニワトリにクラシック音楽を聞かせて鶏卵の品質向上を図っている青年がいる。グエン・ズイ・ティエン・アンさんは大学を卒業したばかりの23歳。フランスへの留学のチャンスを捨てて、このビジネスに賭けている。
東南部ドンナイ省チャンボム郡にあるアンさんの鶏舎は面積約1000平方メートル、空気循環システムを導入しているため、鶏舎内の温度は常に25~26度に保たれている。鶏糞処理システムもあり、嫌な臭いもほとんどしない。
特別なのは、8つのスピーカーから流れる音楽だ。5000羽のニワトリに、朝5時から夕方5時まで1日12時間、交響曲を聞かせている。アンさんは「ポップスやロックなど様々な音楽を試してみましたが、交響曲が一番気に入ったようです。ポップスやロックだとうろたえたように落ち着きませんが、ベートーベンやモーツァルトの交響曲を聞かせると平静な状態に戻ります」と話す。
驚くのは、交響曲を聞かせるようになってからニワトリが産んだ卵に「オメガ3」と呼ばれる不飽和脂肪酸が増えたことだ。以前より含有量が5~6%増えたという。オメガ3脂肪酸は、糖尿病や心臓病などの生活習慣病に効果があるといわれているが、体内で生成することができないため、食品から接種する必要があるとされる。
アンさんはバンラン大学バイオテクノロジー学科で、「ニワトリに与える飼料が鶏卵中のオメガ3含有量に及ぼす影響について」を研究テーマとして卒業論文を作成した。4か月にわたって35羽のニワトリを飼育して研究し、2012年6月に良好な結果を得ることができた。
アンさんは、オメガ3含有鶏卵を実験室での生産から商業生産に移すことを決意、20億ドン(約909万円)の借金をして2012年10月にオメガ・ミンアン社を設立した。今は毎月平均12万個の卵を出荷している。1個当たりの価格は5000ドン(約22.7円)とかなり高目だが、消費者に知られるようになってきたという。
実はアンさんには、フランスの大学から奨学金付の留学のオファーがあった。家族は皆、留学を勧めたが、彼の決意は変わらなかった。留学のチャンスを逸したことをどう思っているか尋ねると、彼は笑ってこう答えた、「自分が生み出したアイデアをうまく発展させたいと思っています。もしオメガ3含有鶏卵の生産計画を実現しなければ、私の卒論はいつまでも紙上の論文にすぎません」
[Tuoi tre online,22/03/2013 09:30 (GMT + 7),O]
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