[特集]
ドンタップ省の「ヘビ市場」訪問記、名物はヘビの煮付け
2013/01/06 07:34 JST更新
(C)Tien phongヘビの皮剥ぎ作業 |
メコンデルタ地方ドンタップ省タムノン郡チャムチム町の市場は、特徴のある水産物を扱うことで知られている。同郡在住のハイ・カンさんの案内を受けて、午前6時にチャムチム町の「ヘビ市場」を訪れた。正式名称は「タムノン食品市場」だが、ヘビ市場として有名だ。
カンさんは、この市場で10年以上ヘビを売っている女性タムさんを紹介してくれた。タムさんの売り場には長さ3メートル、高さ50センチメートルほどのガラスケースがあった。3つに区分されているが、種類別ではなく大きさで分類されている。タムさんはヒロクチミズヘビ、オオミズヘビ、シマミズヘビなどを主に売買する。
ケースの周囲には多くのブリキ製の缶が並んでいる。中に入っているのは重量1キロ以上のオオミズヘビで、ホーチミン市の業者に良く売れるという。タムさんの店では1日当たり数百キロのヘビを売り上げる。価格はオオミズヘビが1キロ当たり80万~100万ドン(約3380~4220円)、他のミズヘビは10万~40万ドン(約420~1690円)。
市場のヘビ販売業者らは、ヘビをカンボジアから仕入れるかチャムチム国立公園で住民が捕獲したものを買い入れている。
メコンデルタの名物と言えば、各種の煮付け料理が知られている。カーロックコー(雷魚の煮付け)やカーサックコー(シルバーグラミーの煮付け)などを味わわなければ、ドンタップ省に来たとは言えない。ただし、タムノン郡名物の煮付け料理は、言わずと知れたヘビの煮付けだ。
タムさんの息子のCさんによると、1日当たり買い付ける数百キロのヘビのうち、傷が付いたり死んでしまって売り物にならないものは、資金を回収するために煮付けにして販売している。1キロの煮付けを作るには10キロのヘビが必要だ。
Cさんに煮付けの料理法を見せてもらった。皮を剥いで塩に漬け込んだ後、天日で干し、調味料に付けて煮込む。剥いだ皮は肥料や水産飼料の生産業者に販売する。ヘビの煮付けは「タムザン」の商標名で、タムノン市場で売られている。価格は1キロ当たり35万ドン(約1480円)。Cさんは「うちのヘビの煮付けはタムノン郡で一番有名だ。週に50~60キロ生産するが、すぐに売れてしまう」と胸を張った。
タムノン市場で取引されている各種動物の総量を想像すると、これがいつまで続けられるのか分からない。チャムチム国立公園管理事務所のグエン・バン・フン所長は「現在、自然保護と関連付けた観光開発案を作成中だ。これが違法な野生動物の捕獲や取引を防ぐ最良の方法だと思う、観光業を発展させて地元に雇用を創出しなければ、野生動物を保護することはできない」と語った。
[Tien phong online,19:16 | 02/01/2013,O ]
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