[特集]
知られざる庶民派の大実業家、集合住宅の価格破壊を断行
2012/12/09 07:33 JST更新
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2~4つ星のホテル20か所を運営し、多数の集合住宅や都市区を建設している大実業家でありながら、世にあまり知られていない人物がいる。ライチャウ第1建設社のレ・タイン・タン社長(63歳)だ。
タン社長は失礼ながらとても実業家には見えない。ブランド物は身に付けず、足にはサンダルで、水煙管を片時も離さない。どこから見ても普通の農民だ。
不動産業界はこのところの景気の低迷で、集合住宅市場が凍り付いている。しかしこんな時期にも、社長室には住宅をぜひ購入させて欲しいと訪れる人が絶えない。タン社長が、集合住宅の価格を1平方メートル当たり1000万ドン(約3万9800円)に引き下げたからだ。
「商売は戦場にいるのと同じです。値下げしなければ売れないが、値下げすれば人から価格破壊だと批判されます。今の市場では、安売りしなければ共に心中するようなものです。利益が少なくても死ぬよりましですよ」とタン社長。ダイタイン都市区の集合住宅は値下げ後にあっという間に売れて、4000億ドン(約15億9000万円)を売上をもたらしたが、当初の見込みより8000億ドン(約31億9000万円)も圧縮された。
リンダム都市区では、1平方メートル当たり3300万ドン(約13万1000円)で契約した顧客に対しても、2300万ドン(約9万1600円)値下げした。顧客はこれで自動車を買えると大喜びし、タン社長にお礼として1000万ドン(約3万9800円)を包んでくれたという。
タン氏は「人から礼金をいただいたのは初めてです。いつも渡しているばかりですから」と笑い、順調な事業の秘訣は何かとの問いには「銀行からの借入を最大限抑え、様々な財源を持つことです。それに買い掛けをうまく利用することですね」と答えた。
タン社長は西北部ライチャウ省で1987年に建設会社を設立し、その後ラオスに渡る。2000年にハノイ市のリンダム都市区で土地を購入し、ホテルと集合住宅を建設した。それ以来建設した集合住宅の数は30棟に上り、ハノイで最大を誇る。
故郷の北中部ゲアン省ジエンチャウ郡ではベッド数200床の病院を建設した。里帰りして海水浴していた時にクラゲに刺され入院したが、満足な治療を受けられなかったことが大きな動機になった。幼稚園、小中学校、高校、動物園、道路も建設した。タン社長は故郷での投資は利益が目的ではないとし、「もし利益が出るようになったら、その一部を慈善活動に充てることにしています」と語った。
[Tien phong online,07:45 | 18/11/2012,O ]
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