[特集]
「世界最後の日」をイベント化、各種ツアーを催行
2012/11/25 07:32 JST更新
(C)Tien phong、棺桶に入って死を体験 |
「2012年12月21日に地球が滅亡する」とされるマヤの予言は、ベトナムでもネット上で人気の話題になっている。犯罪が増えるのではと本気で心配する人、明日滅亡しようといつもと同じように暮らすと達観した人など様々だが、若者らは何か面白いことが起きるのではと期待しているようだ。
この議論に参加したある僧侶は、「人類が自然や環境を破壊し、天然資源を手当たり次第に開発していれば、地球最後の日が近いことは確かだ」と警告し、人々が生活スタイルを見直し欲望を抑えることの意義を説いた。
最近、非政府組織の「持続可能な観光開発のための科学連盟(STDe)」は、「地球最後の日~ゼロへの行程」と題した各種ツアー商品を発表した。STDe議長のグエン・トゥー・ハイン博士の紹介によると、「死を体感するツアー」では棺桶に入って横たわると、ふたを閉められ、暗闇の中にしばらく放置される。目をつぶって自分が死ぬことを想像する時、何を感じるかがテーマだ。
「冥界ツアー」では、幽霊が出るという噂のある森林や家屋、集団墓地、ミイラの博物館、自殺の名所などを訪問する。「戦場訪問ツアー」では、ホーチミンルートの名で知られるチュオンソン道路、第一次インドシナ戦争で最大の戦闘地となったディエンビエンフー、クチトンネルなどを訪れる。
また「人生の意義を考えるツアー」では、戦死者の家族、HIVに感染または枯葉剤の影響を受けている子供達、孤児や障害者らのもとを訪れて、苦しみを分かち合う。
一方、一部の観光区ではこの日をイベントの機会として捉え、特別企画を用意している。死後の世界を想定した施設で、王様や大金持ちになった気分を味わったり、「ゼロの世界」を経験したりすることができるという。ゼロの世界とは、無言や真っ暗闇のパーティーのこと。
「世界最後の日」のツアーはまだ催行されたことはないが、既に多くの申し込みがあるという。STDeのハイン博士は「これらのツアーは12月21日の前に実施される。目的は金儲けにあるのではなく、『死は新しい価値を持つ新たな生の始まりにすぎない』というメッセージを伝えることにある。世界最後の日が来ようと来まいと、人類は意義深い生き方を見つける必要がある」と語っている。
[Tien phong online,07:54 | 15/11/2012,O ]
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