ベトナムの若者、自転車でベトナム縦断〜彼らを駆り立てるものとは？ [特集]

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　最近国道1A号線、別名ホーチミン・ルートを自転車で旅するベトナム人のグループを見かける。彼らは自転車でのベトナム縦断を試みる若者たちだ。何が彼らをベトナム縦断へと駆り立てるのだろうか・・・。ベトナム縦断を達成した2人の青年に話を聞いてみた。　「虚しい日々から抜け出したかったんです。」今年26歳になるグエン・シー・チエウ・チャウさんはベトナム縦断の理由をそう語る。ホーチミン市工科大学を優秀な成績で卒業した後、大企業に就職。仕事を終え、帰宅して眠るだけの単調な日々が続いた。「青春時代にやり残していることがあるような気がしていました。建国記念日のベトナム縦断イベントに親友が参加すると聞いて、自分も参加を決意したんです。」　癌におかされているなか、自転車でベトナム縦断を果たした女性の話に触発されたと語るグエン・ゴック・フンさんは2012年5月、単身で自転車ベトナム縦断をやり遂げた。その旅を終えてからは講演の依頼が引っ張りだこで、若者たちに当時の経験を語って聞かせているという。　「何度も講演を行いました。思っていた以上に若い人達はベトナム縦断に興味を持っていると感じました。」フンさんはそう語る。

　「旅に出る前は綿密な計画を練り、十分な準備をしたつもりでした。しかし、いざ出発してみると想像を絶する困難に直面しました。荒れた道ではパンクは日常茶飯事、突然の雷雨や照りつける日差しも旅人の行く手を阻みます。」　「心が折れてしまいそうになったこともありました。いくら進んでも辿りつかない・・・そんな時は友人に電話したり、Facebookに近況を報告して気分を紛らわせました。」また、旅を始める上で最初に乗り越えなければならない壁は、家族を説得することだという。「そんな過酷な旅に子供を送り出そうとする親はいません。しかし、旅の目的や意義をしっかりと話し合えば、きっと理解してもらえると思います。家族は一番の理解者であり支援者なのですから。」　フンさんはベトナム縦断を「奇跡の連続」だったと語る。「自分が想像していた以上のものを得られました。ベトナムの美しさや、先人たちが築いてきた足跡を辿ることもできました。」　「何か大きなことがしたかったわけではありません。ただ今後の人生の道標になるようなものが欲しかっただけです。今それを手にすることができたと思っています。」チャウさんは満足そうに微笑んだ。

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