[特集]
硫酸を顔面に浴びせられた元女優、今では人生に希望
2012/07/08 08:25 JST更新
(C)Dan tri,ANTG |
ベトナムでは、嫉妬に狂った相手から硫酸を浴びせられる事件が決して珍しくない。被害者が女性だった場合は、絶望して自殺まで考えることがあるようだ。レ・ティ・キム・ティエンさんもその中の一人だが、今では人生に希望を見出している。
事件は1997年に起きた。別居していた夫が嫉妬心から人を雇って、ティエンさんの顔に硫酸を浴びせた。見るも無残な顔になり、小さな息子は抱きしめようとするたびに泣いて逃げ出すあり様で、いつも死ぬことを考えていた。気持ちが落ち着いた時に、自分が死んだ後に残される2人の子供達のことを考えると、生きなければと思ったという。
事件当時、彼女はハノイ市カウザイ区でカーテン販売店を経営していた。顔をスカーフで覆って仕事に戻ったものの、従業員の多くが去り、初めて訪れた客は彼女を見ると何も言わずに店を出て行った。
ティエンさんの人生は少々複雑だ。1963年に紅河デルタ地方ハイズオン省で10人兄弟の5番目の子として生まれた。高校を卒業すると地元の劇団に入団、1年後に同じ劇団の青年と結婚し、夫の故郷で暮らすが3年ほどで離婚する。
1986年にハノイ市の劇団と契約したが生活が苦しく、アルバイトで知り合った男性と2年後に結婚する。2人はハイズオン省で自転車部品店を経営していたが、夫婦仲に亀裂が入り、彼女は子供を連れて家を出た。その後ティエンさんはカーテン販売に活路を見出して店を出し、繁盛していたところで元夫に復縁を持ちかけられた。事件を引き起こしたのは、拒否された元夫だった。
ティエンさんは事件から半年後に初めて整形手術を受けた。その後2008年までに47回の手術を受け、顔を覆わずに人前に姿を現すことができるようになった。彼女は劇団で元同僚だった男性と2003年に再会し、その後この男性と再婚し、娘を授かった。
彼女の顔には今も跡が残ってはいるが、もう整形手術は受けないつもりだ。自信に満ちた顔には笑顔が戻り、カーテン販売チェーンの経営者として腕を振るっている。
[Dan tri,23/06/2012 - 18:18,25/06/2012 - 11:26,O ]
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