[特集]
女性実業家と“魔法の館”
2012/06/17 08:04 JST更新
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ハリーポッターの世界に魅せられて、占いや魔法の虜になった女性がいる。物語の主人公はブイ・トゥオン・アインさん。彼女は若者に人気の変わった娯楽施設「三本のほうき」を作った人物だ。
「三本のほうき」を作る前、彼女はある有名な投資会社の財務管理者だった。香港出張の際にディズニーランドを訪れた時、それまで夢に描いてきた世界を目の当たりにして、くらくらしたという。また、お客さんの大半が大人だということにも驚かされた。「子供のように我を忘れて楽しみましたが、決して夢の世界ではないのです」彼女は考えた。このように夢中になれることを仕事にできれば、日頃仕事に対して感じていた矛盾も消え失せるのではないかと。
彼女は一大決心をして会社を辞め、娯楽施設を作るための会社を設立した。構想に浮かんだのはやはり小説「ハリー・ポッター」の世界だ。娯楽施設の名前は小説に登場するパブ「三本のほうき」に決めた。カラフルで色彩に溢れる夢の館。ここでは現実と夢の世界がリンクする。
「三本のほうき」は2011年5月、ホーチミン市フーニュアン区ファンシックロン通り141番地にオープンした。初期投資はそれほど大きくなかったが、若者達からの注目度は高かった。2か月のプレオープン期間中に800人以上の来客があったという。
その後、改装に向けた数か月のクローズ期間中に、スタジオや仮装ルームなど比較的人気のなかった部分を再編し、人気の高かった部分を補強した。さらにデンマークから建築家を呼び寄せ、外装も一新させた。投資総額はかなりのものになった。
昨年末、「三本のほうき」は全く新しい姿になって帰ってきた。魔法の世界にふさわしい黒の外装。オリジナルの陶器の飾りも凝っている。インテリアには古木が使われ、星のペイントなどが施され、夢の世界に足を踏み入れたような気分にさせられる。木の工房、パン工房、上映ルーム、たくさんのオリジナルメニューがあるバーもある。
「三本のほうき」はたちまち若者の人気スポットとなった。週末には大人や家族連れも多く訪れる。アインさんはこの夢の館のために、独自の世界観を演出している。仮想世界の中には、銀行や政府もあり、それはさながら中世の街のようだ。
来客はそれぞれのキャラクターを演じる。木工職人、パン職人、花屋、魔法使い、妖精などだ。この世界の住人はスタッフから客まで様々な属性を持ち、現実世界とは別名を名乗る。アインさん自身もここではサオ・チュオイという別の人物となる。
「三本のほうき」はレストラン、カフェ、エンターテイメント施設の3つのセクションから成る。大人が子供に戻れる場所であり、若者が楽しみながら学べる場所でもある。バー「ボロボーラ」では美味しい食事やお酒を楽しむことができ、3D映画を鑑賞したり、最新のアートを楽しむこともできる。本やゲームのある部屋、スポーツができる部屋もある。
新生「三本のほうき」の滑り出しは好調だ。登録した住人は2500人に上る。「これまでには無かったものなので、世間の反応は全く予想できませんでした。それでも、自信はありました。夢中になる心と強い信念でやりぬけば、きっと成功できると思っています」
[DDDN06/06/2012 - 08:13U]
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