[特集]
20歳の花嫁と結婚した74歳の大富豪、その人生
2012/05/06 08:08 JST更新
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東南部バリア・ブンタウ省で会社を経営するレ・アン会長(74歳)は今年3月に20歳の花嫁をもらい、盛大な披露宴を開いた。同氏にとって5度目の結婚で、4番目の妻は結婚当時25歳だったという。若い娘にうつつを抜かした、好色老人と思うなかれ、同氏はベトナム財界で一時代を築き上げたまさに大物だ。
アン氏は1938年、南中部クアンナム省の貧しい家庭に生まれた。1958年、同氏はゴ・ディン・ジエム政権下の兵役を免れるために、東南部ビンフオック省へ移り住んだ。
借り物の古いシンガーミシンで生計を立て、1年後に資金が貯まると、このミシンを買い取り、さらに2台のミシンを購入して、従業員を雇った。ベストの縫製を教わり、資金を集めてサイゴンへ移り「チエンズ・テイラー」をオープンした。こうして得た資金で米ドルを購入しサイゴンで消費したため、当時、南ベトナムで活動していたCIAから目をつけられ拘束されたこともあった。共産党への資金援助の容疑がかけられたが2か月後、疑いが晴れると釈放された。
その後は、全資金を注ぎ込み、個人銀行を設立した。しかし、設立後、間もなくしてサイゴン解放を迎え、それまで所有していた債権は、たちまち紙くずと化してしまった。
無一文となった同氏は、友人から資金を借りて、まず廃材収集業を始めた。更に、自転車工場、縫製工場、石鹸工場などに投資し、それらが軌道に乗ると、自身の金行を設立した。金行には毎晩様々な人物がお忍びで「金」を売りにやってきたため、今度は公安に目を付けられ、思想改造施設に送られてしまった。
ようやく出所した後は、政府が主導する市場改変により、資産の大半が没収され、新たな事業に方向転換することをを余儀なくされた。それでも、これまで築き上げた人脈を活かして、家を購入し、自転車のフレーム生産や服飾生地の販売を始め、新たなスタートを切った。
同氏は生粋の商売人で商才に溢れていたため、売上げは急速に拡大していった。売上げは全て妻に渡していたが、1984年に妻と離婚することになり、妻から財産分与が受けられず、また一文無しになってしまう。
離婚後は友人らの協力を得て、ホーチミン市3区に小さな洋服店を開いた。これが成功し、市内に多くの支店を持つまでに成長する。まさに同氏にとっての金の卵だった。資産が一定の額に達すると、再び金融分野への投資に力を入れるようになった。個人銀行を営んだ経験を元に、ホア・フン信用金庫を設立。1987年の終わり頃に多くの銀行が倒産する中、同氏の銀行は安定した成長を続け、貯蓄家たちの信用を得ていった。支店も急速に増えていき、「金」売買の分野でも発展していった。
齢70歳を越えた後も、同氏の活躍は留まるところを知らない。その経営スタイルは常に斬新で、他者の追随を許さない。管理協会への出資金も膨大な同氏だが、このほど初めて詐欺罪に問われた。理由は、かつて不法出国者へ「金」を供給したとして思想改造施設に入れられていたためだという。今回の起訴により、同氏はかなりの資産を失うことだろう。それでも同氏の資産はまだまだ膨大だが。
[Vnexpress 10/4/2012, 00:41 GMT+7U]
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