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[特集]

イエンバイ省の“キノコ王”、75歳から新規事業

2012/03/18 08:28 JST更新

(C)Tuoi tre,Huong Giang
(C)Tuoi tre,Huong Giang
 東北部イエンバイ省に“キノコ王”の異名を持つ男性がいる。今年78歳になるブー・ヒュー・レーさんだ。多くの農民が貧困から抜け出せたのは、レーさんが開発したキノコの栽培法のおかげだと感謝の言葉を口にする。  レーさんは農業機械などを製造するホンハー機械建設社の社長だ。3年前の75歳の時にキノコ栽培の訓練コースに参加した際、稲を植える土地が少なくて、農閑期が長く労働力の余っている省内の農民にとって、キノコ栽培こそ進むべき道だと直感したという。  レーさんは自社の工場内で、キノコの栽培方法をあれこれ自分で試した。これでうまくいくと思ったレーさんは、生産規模拡大のための計画書を作成して銀行に融資を依頼しに行った。しかし、高齢すぎるとの理由でどの銀行も首を縦に振らない。ただ、農業農村開発銀行だけが理解を示した。外国の機関がレーさんのプロジェクトを支援していることは、信用に値すると考えたからだ。

 外国の支援とは、英国国際開発省(DFID)とアジア開発銀行(ADB)が支援する「貧困者に益する市場システム構築(M4P)プロジェクト」と「ベトナムチャレンジファンド」のこと。チャンレンジファンドは、一定の成果を出した後でなければ支援をしてくれない。同ファンドは1年間レーさんのプロジェクトを見守った後で、必要な資金の49%を支援することを決めていた。  レーさんは地元で安く手に入るおがくず、米ぬか、トウモロコシぬかなどを混ぜ合わせてビニール袋に詰めてキノコの苗床にする方法を採用、自動水やり器と乾燥機などを自分で開発した。  今ではイエンバイ省人民委員会もキノコ栽培を省の代表的な産業として育てる方針で、生産規模の拡大や品質向上に向けた計画を支援している。欧州市場への輸出を視野に入れて、英国企業に投資を呼び掛けてもいる。チャレンジファンドの専門家は「レーさんのプロジェクトは独り立ちできることを証明した。ファンドからは卒業の時期」と高く評価した。  レーさんは「自分には貧乏な時期もあったが、今では十分な収入を得られている。私はただ、周囲の人達に何かを残したかっただけ」と語った。その願望は今実現しつつある。  

[Tuoi tre online, 11/03/2012, 02:43 (GMT+7), O]
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