[特集]
親子3代の筋金入りマジシャン一家
2011/12/11 08:48 JST更新
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チャン・ディンさんの家族は、親子3代にわたってマジシャンという筋金入りのマジシャン一家だ。今年ベトナム・ブック・オブ・レコーズセンター(ベトキングズ)の「最も完璧なチームワークを誇るマジシャン家族」という賞を受賞した。
マジシャンの血はディンさんの父親チャン・ルックさんから受け継いだものだ。ルックさんは10歳の時、サーカス好きが高じてハノイの家を飛び出し、南部のサーカス団にもぐり込んだ。その後戦争で国が分断される中、何とか生き延びて結婚し、夫婦でサーカス団を設立して南部各省を公演して回った。
公演を続けながら、ルックさん夫婦は8人の子供をもうけた。ディンさんと兄のビンさんの2人が父親の仕事を受け継いだ。ディンさんは後にキム・ロアンさんと結婚し、子供たちと共にマジシャン一家を築く事になるが、ロアンさんは元は幼稚園の先生だった。
ロアンさんは「ディンさんのマジックは何度も見に行ってましたが、まさか自分が彼と結婚するなんて思ってもいませんでした。学校に行くバスで乗り合わせて、連絡先を聞かれました。両親は結婚に反対しましたが、やがて彼を好きになりました」と馴れ初めを振り返った。幼稚園の先生からマジシャンへの“転職”、それに舞台衣装を用意するのもロアンさんの担当で、初めのうちは大変な思いをしたという。
1970年代後半はバオカップと呼ばれる配給制の時代で、マジックやサーカスでは食べていけない時代だった。コメを買うお金にも困って、ディンさんはマジシャンを辞めようと思ったこともあった。ただ、旧正月(テト)の時期は忙しさが半端でなかったという。「疲れ果てて舞台袖で眠り込んでしまった時もあったが、お客さんの拍手を聞くとつらい事をすべて忘れる事ができた。それがアーチストの最大の喜びだ」とディンさん。
ディンさんとロアンさんは、2人の子を授かった。兄のチャン・ズンさんと妹のキム・ウエンさんだ。血は争えないもので、2人は既にマジシャンとして活躍している。さらにズンさんの妻もマジシャンとして一歩を踏み出し、1歳8か月の息子も最近初舞台を踏んでいる。
ディンさんは、「歌謡ショー、演劇、サーカスには既に専用の施設がある。若い才能あるマジシャン達のために、マジック専用の施設が欲しい」と夢を語った。
[Nguoi lao dong online, 26/11/2011 21:24, O ]
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