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[特集]

ベトナムニンジンの栽培で貧困削減を

2011/06/12 08:21 JST更新

(C) Tien Phong, Huynh Kien
(C) Tien Phong, Huynh Kien
 中部高原地方コントゥム省と南中部クアンナム省では、過去20年近くにわたり数百億ドン(数億円)を投じて朝鮮人参の一種であるベトナムニンジンの保存に努めているが、栽培面積はわずかに5~7ヘクタールに留まる。しかし若手実業家のチャン・ホアンさん(36歳)は13年でその面積を100ヘクタール以上に拡大した。このベトナムニンジンは自生している場所の地名から通称「ゴックリン」と呼ばれている。  ホアンさんは紅河デルタ地方ハナム省生まれ、1994年にコントゥム省ダクグレイ郡ダクチョーン村に移住して木材業を始めた。1997年に地元の人々がゴックリンは健康にいいと話しているのを耳にして、生のゴックリンを購入しその一部を庭に植えてみると育ったという。  ホアンさんは、ゴックリンの自生種が減っていること、それに連れて価格が上昇していることに目を付け、ゴックリンを栽培しようと思い立った。1998年に弟のチャン・ハオさん(35歳)と資金を出し合って地元で栽培を開始、それと並行してラムドン省ダラット市でも試験的に栽培した。

 しかし、ゴックリンは育ったものの薬効成分であるサポニンの含有量が、自生地のものに比べ4分の1しかなかった。ホアンさんたちは各地で試験栽培した結果から、2003年にコントゥム省トゥモロン郡テサン地区を本格的な栽培地とすることに決めた。ダラット市から品種改良の専門家を招いて研究を続けた。  ゴックリンの栽培は困難を極める。自生種を植えかえても生き残る率は20~30%止まり。種をつけたと喜んでいると、翌日には鳥に食べられてしまう。ネズミにもニンジンをかじられる。日照りにも弱く、台風ももってのほかだ。森林が痛むとゴックリンも育たないので森林保護も必要だ。  大変な苦労だが、夢もある。最近の調査で、現在の栽培地の周囲に約5000ヘクタールもゴックリン栽培に適した土地があることが分かった。ホアンさんは、地元住民らに森林の保護とゴックリンの栽培を任せて、貧困削減につなげたいと考えている。さらにその先は、収穫したゴックリンを加工した製品を海外に輸出する。  5月5日にホーチミン市で科学技術省の主催によるセミナーが開かれ、ゴックリンをベトナムの特産品として研究開発する案について話し合われた。参加者らは、国レベルの指導委員会または機関の設置を政府に提案することで一致した。コントゥム省当局はこのセミナーで、ある民間企業がゴックリンを栽培していることを発表した。ホアンさんの夢が一歩前に進んだ。  

[Tien phong online, 13:00 | 20/05/2011,14:00 | 21/05/2011, O]
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