[特集]
米国人弁護士と越人歌手の恋、そして野球の夢
2011/02/13 08:41 JST更新
(C) Vietnamnet, Hoang Ha |
米国人トム・トゥルトラーは現在、ベトナムにある米系法律事務所の代表者兼弁護士を務めている。妻はニャチャン市(南中部カインホア省)の歌舞団ハイダンの歌手ゴック・トゥイー。夫妻はベトナムでの少年野球の普及に殊のほか力を注いでいる。
トムとベトナムの関わりは18年前にさかのぼる。越僑が多く住んでいることで知られる米カリフォルニア州サンノゼで電子技師として働いていた彼は、ベトナム人とよく付き合っていた。ベトナム語を学ぶために通っていたスタンフォード大学で、ベトナムとのボランティア交換留学のプログラムがあることを知り、彼はこれに応募しベトナム行きの切符を手にする。
トムは1993年7月から3か月間ハノイ外国語大学でベトナム語を学んだ後、ホーチミン市の大学でボランティアで英語を教えた。彼はプログラム終了後もべトナムに残ることを決め、米系法律事務所に通訳兼助手として就職した。
1996年、ビザ書き換えのため一旦国外に出る必要が生じ、ラオスのビエンチャンに出向いた。台風の接近で予定していた帰りのフライトがキャンセルになり、トムはふらふらとある金(きん)販売店に立ち寄った。これがのちに妻となるトゥイーとの出会いの瞬間だった。
トムは一目惚れし、その後連絡を取り合うようになったが、彼女が歌手であることは知らずにいた。翌1997年、ハノイのベトソ友好文化会館で開かれた「アセアン歌声フェスティバル」の垂れ幕に彼女の顔が載っているのを見たときもずいぶん似た人がいるものだと思っただけで、実際に舞台上の彼女を見てようやく信じることができたという。翌日、トムは彼女を誘ってプロポーズした。
2人の息子のベンは、今12歳になる。ベンは父親の影響か小さい頃から野球が好きだったが、ベトナムではまだあまり野球が普及しておらずプレーする機会に恵まれなかった。ベンの誕生日に友達を招き野球の話をした時、トム夫妻は子供達に野球を教えることを思い立つ。
用具は米国から調達し、野球場も自分達で作るしかなかった。2人は家庭に貧富の差があっても子供達が参加できるよう、毎年2万5000米ドル(約210万円)を野球チームの活動のために拠出している。こうした努力が実って、2008年にハノイスポーツ連盟によって「ハノイ少年野球チーム」の設立が認められた。
今年1月に北部ビンフック省で開かれた少年野球大会で、ベンの所属するハノイ少年野球チームが優勝した。目下の目標は、ニャチャン市で2012年に開かれる国際リトルリーグ大会に参加し優勝することだが、国内でももっと野球を広めたいと夢を膨らませている。
[Vietnamnet, 05/02/2011 06:19:00 AM (GMT+7), O]
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