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フォーの店「グルメ」が米ヴァージニア州マナサスの人々にこれほどまでに知られるようになったのは、決して偶然というわけではない。この店はワシントンポスト誌やタイム誌にも取り上げられたことがある。オーナーはこの地域では知られた存在のチュン・ティンさん。彼はブッシュ大統領の選挙戦に協力し感謝状をもらったこともある。 昼夜を問わず、特に週末この店は大忙しだ。地域の飲食店のトップ10にランクインしたことの影響はもちろんだが、それだけではないようで、開店して6年たった今も評判は上がり続けている。 オーナーのチュン・ティンさんは以前、ガソリンスタンドの店長や電化製品の販売員をしていたが、料理好きとベトナム料理を広めたい一心でフォーの店を開くことを決めたという。 オーナー自らお客さんに接してニーズを聞き取ろうとする店はこの地域でも珍しい。少し前までは人件費を節約するため、ティンさん自身が調理や接客や売り上げの管理まで全てをこなしていた。その経験が広報やマーケティングなど経営にまつわるノウハウを得るのに大変役立ったという。 店のしつらえはベトナムを充分に意識したものになっている。各テーブルの間には竹でできた仕切りがあり、ベトナムの田舎の風景画や詩が掛けられている。ティンさんはベトナムの友人に頼んで「フォー」という文字とともにベトナムの農村女性が描かれた看板を作ってもらったという。 政治活動への参加については、2004年の大統領選挙でブッシュ大統領のキャンペーンに積極的に参加。最も苦戦を強いられたヴァージニア州で多大なる貢献をしたため、再選後ブッシュ大統領の親類から感謝の印としてホワイトハウスでのパーティーに招かれた。 店の経営の他、ティンさんは地域活動や政党活動にも積極的に参加している。エデンで電化製品の店をやっていた時、彼は仲間たちと一緒に、小規模店舗の主人らに団結を呼びかける記事をエデン・ニュースへ掲載したりしていた。彼いわく、ベトナム人の弱点は海外における団結力の低さと資金不足で、こういった点では韓国人や中国人にはかなわないという。 彼はベトナム料理をアメリカ全土に広めていくために、経験の共有や事業の拡大を目的とする「フォー会」を発足させる予定だという。アメリカ人にベトナムの伝統料理を知ってもらうことによってベトナム人が地域へ溶け込むことを促す活動の傍らで、政治活動への参加にももっと注目すべきだと彼は考えている。第一世代が無理なら次世代以降でもいいから、ベトナム人の政治家が現れることが望みだ。在米ベトナム人コミュニティが和解のプロセスを阻むような活動をやめてもっと将来への投資を増やせば、アメリカ社会への浸透度もより高まるだろう。
[2006年10月21日 Thanh Nien 電子版]
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