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2日から3日にかけブンタウ(Vung Tau)ドッグレース場付属のBa Riaレース犬訓練センターで合計10匹のレース犬が同じ症状を示し次々に死亡した。さらに同センターに所属しているほかの638匹のレース犬にも同じような症状が出ており1匹2000米ドル相当、合わせて700万米ドル相当のレース犬が死の危機に瀕している。このため4日同レース場では1999年末に開場した東南アジア初のドッグレース場を一時閉鎖した。 3日、昼から降り続く雨の中Ba Riaレース犬訓練センターは重い雰囲気に包まれており、同センターのNguyen Ngoc Myセンター長は現在全職員が必死で難病にかかって弱っている残り638匹の救護と治療に明け暮れていると心痛な心持ちで語った。救護室に入ると硬くなった8匹の5歳犬が横たわっており、手術台にあるアルミ皿の上には2日の死亡解剖で2匹のレース犬から出てきた腎臓結石がころがっていた。 午後5時45分になり獣医長と獣医それに2人の助手が手術室に入り死亡した6歳犬を手術台に乗せ死亡解剖を行った。メスが入りしばらくすると獣医長は2つの腎臓結石を取り出し、その後さらにいくつかの結石を取り出して言った。“我々はこれまでに死亡した何匹ものレース犬を解剖してきたがどのレース犬も皆同じ症状で腎臓に結石が見つかっている。” 今年3月にも同じ症状で2匹がなくなっているが、これまでの例からレース犬が発病しすると一様にそれまで元気だったのが急に痩せだし、毛が逆立ち、食欲が減退するという症状を示すという。同訓練センターでは1990年の開設からすでに100匹のレース犬が死亡していたがこれまで原因がわかっておらず、やっと最近になってタイ製のドッグフードにその原因があるのではないかということがわかってきた。 レース犬はの生涯はホーチミン市にある施設に始まりその後1ヶ月間育てられ、バリア・ブンタウ省の同センターに移され週に1,2回のレースに耐えうるだけの厳しい訓練を受ける。食事は1日2回オーストラリアから輸入したカンガルー肉100gとぺディグリー(Pediree)の乾燥ペットフードが与えられる。 今年3月、同センターはペットフード会社Effem Foods社にこの死亡事件を報告した。その後同社がオーストラリアから獣医を呼び検査をしたところレース犬の食事に原因があるとして同社はセンターに対し補償をする旨連絡したが、返答を得られなかったとしている。しかしながら同センターではこれを完全に否定し何度も連絡したが同社からは何の返事もえられなかったと両者対立の姿勢を示しており、今後同センターではこれ以上進展が見込めない場合は法廷で争うとしている。 1999年に東南アジア初のドッグレース場として常に注目を集めてきた同レース場とセンターはこれまでに700万米ドルを投じ現在の規模まで発展してきた。さらにこれからホーチミン市、ハノイ市、カントー市などに6つのドッグレース場を建設する計画を目の前にしての今回の惨事で、レース場の一時閉鎖を余儀なくされた苦悩とともに、愛しつづけてきたレース犬の相次ぐ死に悲しみに暮れている。
[Thanh Nien]
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