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[特集]

ハノイ:“極薄住宅”との戦い

2004/12/08 10:32 JST更新

 Giang Van Minh通り(ハノイ市)には一際目を引く高くそびえる建物があるが、その4階建ての建物が特に美しく立派だからという理由ではない。皆が注目する理由とは建物の幅が10mあるのに対し奥行きがたったの1mしかない“極薄住宅”だからである。  ハノイ市にはこのGiang Van Minh通りだけではなく、Lieu Giai通り、Dao Tan通り、Kim Ma通りにも同様な“極薄住宅”が立ち並んでいるが、これは道路拡張による“遺物”で元々あった住宅の一部が道路になり奥行きが1mだけ残った土地に4階建ての住宅を建設したというわけである。  このような住宅は都市の景観を損ねるなど地元行政機関にとっては頭の痛い問題である。以前Cong Vi街区人民委員会は住民をこれらの“極薄住宅”から強制的に立ち退かせる措置を決定したこともあるが、住宅問題は住民の生活と最も密接に関わる問題であるためこのような力ずくともいえる方法では解決できなかった。  またDong Tam街区の建築管理を担当しているNguyen Quco Viet氏によると、同街区では2001年よりこのような今にも倒れそうな極薄高層建築を許可しないという措置を取ったが、そうすると今度はトタンぶきの粗末な家をこしらえ、ますます都市景観にそぐわない建物が増えてしまい未だ抜本的解決には至っていないという。  こうした経緯からハノイ市建設局では面積20平米以下の建築不適合住宅/土地リストを作成し、立退きを行い駐車場や街路樹植樹を建設する計画を行なったが、奥行きは1mでも幅が60mあるケースなどもありこのような住宅/土地に対しては未だ何も実効的な手段を講じることができていない。  ハノイ市ではこのように様々な規制を打ち出し“極薄住宅”解消を目指しているが決定的な解決策を見出せていない。もっともこのような住宅が完全に建設される前に工事にストップをかけるなどの対策が効果的であるが、どういうわけか地元当局の目の届く範囲で次から次へと“極薄住宅”が出現しているのが現状である。  

[Kinh Te & Do Thi]
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