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2人が製造する補装具は、「型取り」、「ワックスによる型修正」、「シリコン型作成」、「成形」、「色付けや細部の修正などの仕上げ」という5つの基本工程を経るため、それぞれが唯一無二の製品となる。手足の指の関節、欠損した鼻や耳、傷跡がある皮膚などに補装具を固定する際には、特殊な接着剤を使用する必要がある。
「最も難しいのは、皮膚と同じ色を作り出すことです」とフックさん。95%の類似性を達成し、さらに使用過程での摩耗を少なくするため、特殊なカラーコーティングを施している。
通常、義指の製作には10日から15日ほどかかり、鼻や耳、手足などの難しいパーツは数か月を要する。費用の目安は100万~1500万VND(約5050~7万5800円)で、平均耐久年数は約3年間となっている。「高価なように聞こえますが、海外製品に比べれば10分の1から20分の1です」とフックさんは語る。
注文客は、まず2人の店を訪れて型を取り、サイズを測る。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が長期化し、顧客が店に足を運ぶことが難しくなったため、2人は市外の顧客向けに型取りキットを製作した。
「お客さんが来店できない場合は、補装具が必要な部分の型を取るキットと、肌色のカラーチャートを送付しています」とフックさん。さらに型取りが難しいという顧客には、3D画像をスキャンして送ってもらうよう案内している。これにより、顧客の移動時間の節約にもなり、注文も大幅に増加したという。
2人は各地に顧客を抱えているが、その多くは機械加工や大工の作業中に不幸にも身体の一部を失った人々だ。他に、生まれつき身体の一部が欠損している人や、交通事故により身体の一部を失った人もいる。