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N.M.さんによると、客から要求があれば、「契約」前にザロを通じてヌード写真を送ることもいとわないという。このように客の要求に応えることは、自分の「サービス」を売り込むための「ノウハウ」でもあるのだ。
一方、多くのトランスジェンダーの売春婦たちは、客と買うか買わないか、どこで会うかなど最低限のやりとりしかしない。SNSのメンバーの1人であるイエン・ニーさんは「あれこれたずねてくる人は、たいてい買ってくれません。私たちをからかいたいだけなんです。こういうお客さんは嫌ですね」と話す。
イエン・ニーさんは、友人を探したり、交流したり、語り合ったりすることをグループには求めておらず、客探しのためだけと割り切ってグループを使っている。イエン・ニーさんのようなタイプは多く、客から長々と質問されると、客のアカウントをブロックすることもある。
記者が客のふりをしてアン・アンというレディボーイに連絡すると、「あなたとゆっくり話している暇はないわよ。だって、あなたと話してもお金は発生しないけれど、私が必要なのはお金だから」と答えた。しかし、「購入」を前提に話がしたいと伝えると、アン・アンはようやく心を開いた。
彼女は記者に自身のヌード写真を送り、普通の女性と全く同じように、もしくは普通の女性以上に「忘れられない」サービスができる、とアピールした。その後、アン・アンは会う日時と場所をどうするか、しきりに催促した。
記者が「まずはデートから」と提案すると、彼女はすぐさま態度を変え、「高級レストランと映画にしか行かない。路上での食事なら行かない」と答えた。そして、記者がホテルに行くつもりはないとわかると、「暇なときにまた探して」と言い残してやりとりを終えた。
トランスジェンダーの人々は、差別の目で見られたり、身体が弱かったりするため、普通の仕事に就くことができず、多くの危険が潜んでいる売春の道をやむなく選ぶというケースも少なくない。こうした人々がSNSや裏サイトで売春をしているという事実は、トランスジェンダーの世界の闇を表しているともいえる。
彼女たちにとって、売春は「簡単に稼げる仕事」だ。お金さえ持っていれば、客は誰でもいい。トランスジェンダーを相手にする客も、多くは物珍しさを求めている。SNSのグループは、自分たちで立ち上げて自分たちで客を探すだけで、裏で手を引く黒幕もいない。