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朝から晩までひっきりなしに続く診察、漢方薬の処方、患者への電話応答は、もうじき100歳を迎えるファム・ト・タンさんの1日のルーティンワークだ。
家の裏で鶏が鳴くと、タンさんは寝床から起き、サンダルを履いてまっすぐ漢方薬の倉庫に向かい、調剤を始める。20包の薬を注意深く包み、患者の名前を書くと、コートをなびかせ、姿勢良く家の前の坂を登って行く。この春、タンさんは99歳になった。
ハノイ市ソンタイ町のスアンカイン街区(phuong Xuan Khanh)を通る幹線道路には「貧困者、枯葉剤被害者、8歳未満の子供、戦死者の母は無料で治療」という看板が掲げられている。これはタンさんが30年間続けている東洋医学診療所の運営基準だ。
「患者さんが、困難な状況にあると当局が認めた証明書を持参すれば無料で診療します。遠方で通院できない人は、この証明書を送ってもらえればこちらから薬を送ります」とタンさん。
ある日の朝、1人の男性が車で胃腸薬2袋を買いに来た。タンさんは男性から120万VND(約5500円)を受け取った。お昼近くには、痛みで顔を歪めながら1人の女性がバスでタンさんの元を訪れた。タンさんは2錠の薬を渡し、すぐに飲ませた。痛みが和らぐと、女性は試しに1袋だけ購入したいとタンさんに伝えたが、治療には2袋の薬が必要となるため、タンさんは1袋を売り、もう1袋は無料で渡し、昼食も一緒に取らせた。
「私の使命は、裕福な人からお金をもらい、貧しい人にそれを分け与えることです」とタンさんは言い、生活に困っていない人からは診療費を受け取り、そのお金で貧しい人を助けていることを説明した。