(C) thanhnien |
身寄りのない高齢者や読み書きのできない人に本を読み聞かせることもある。トゥイ・ズオンさんは続けて話す。「小学校の学習も終えていないおじいさんに本を読み聞かせています。おじいさんは戦争の本が大好きなんです。幼い頃から生活費を稼ぐために学校へ行っておらず、年老いてから色々なことが知りたくなったそうです。私は週に2回、時間を作っておじいさんのところへ本を読みに行っています。おじいさんは経済的に苦しいので、お金は受け取っていません。本を読みに行くと毎回おじいさんはお茶を入れて、昔話を聞かせてくれるんです」。
しかし、読み聞かせは良いことばかりでもなく、気難しい客や読み方に対して要求の高い客、そして「大人向けの本」を読むよう強要する客もいる。友人の紹介を受けて40代の男性のところへ本を読みに行った女子学生は、当初「歴史の本」を読むはずだったにもかかわらず「大人向けの本」を読むよう強要され、断ると罵声を浴びせられたのだという。女子学生は危険を感じて友人に迎えに来てもらい、その場から逃げて無事だった。
時にリスクも伴うが、読み聞かせは本が好きな多くの学生たちを引きつけている。ホーチミン市交通運輸大学に通うレ・ブオンさんは、「本が好きな人たちと読み聞かせを求める人たちをつなぐため、フェイスブック(Facebook)ページを立ち上げました。困難は少なくありませんが、本が好きですし、わずかながら収入にもなるので頑張っています。本は、私たちのような若い世代と前の世代をつなぐ架け橋のようなものなんです」と嬉しそうに語った。