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南中部高原地方ラムドン省ダラット市在住のグエン・ティ・ヘットさん(女性・87歳)は、今から約70年前にダラット産の野菜や花をトラックに載せて初めてサイゴン(現在のホーチミン市)へ持ち込んだ1人だ。
ヘットさんは現在のハノイ市タイホー区クアンバー村の出身で、17歳だった1947年に仕事のためダラットのハドン村落に移った。ハドン村落は、ダラットで初めての野菜と花の生産に特化した村落だ。ハドン省(現在のハノイ市)出身の人々が移り住んで野菜や花を育てるために開墾した地で、1930年代から80年近くもの歴史を有している。
当時は庭も土地もなかったため、ヘットさんはハドン村落で親戚らが育てた野菜と花をダラット市場に持って行き、売ることを思いついた。その後、ヘットさんは新たな市場を求めてサイゴンにも足を運ぶようになった。
商売でのつながりができると、ヘットさんは資金を借りて、親戚の女性と一緒にトラックを購入し、ハドン村落で育てた商品を初めてサイゴンに出荷した。最初は4tトラックを使って、キャベツを運び、後にカリフラワーやタマネギ、ニンニク、そして花も運ぶようになった。
毎朝、村落の人々が道の両側に並べた野菜や花をヘットさんのトラックが集めて回る。「午後になるとトラックはサイゴンへ向けて出発して、夜はラムドン省のバオロックで休んでいました。翌朝早くにまた出発して午後までにサイゴンへ着きます。当時は道も悪かった上、一方通行で更に戦争中だったので今のように早く走ることもできず、移動には丸1日かかっていました」とヘットさんは話す。
ヘットさんは、現在のホーチミン市1区カウオンライン街区にあたるカウムオイ市場の各商店に野菜などを卸し、残りの花は1区ベンタイン市場の各商店に売っていた。「当時ダラットは気候も良く土も肥沃で、キャベツ1玉7~8kgにも成長するので高く売れました。でも時には野菜や花を売っても数十VNDにしかならないこともあり、商売は細々としたものでした」。