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ティンさんの働く修理店の脇でいつも水を売っている女性は、「サンダルを買うお金が十分にあるからできること」とからかう。毎日何度も道を行き来するので、サンダルはすぐにだめになってしまうのだ。それに対して彼は、「いくら非難されようと関係ありません」と取り合わない。
朝早くから修理店に出ているが、やっと帰れるのは真っ暗になってからだ。彼は、子どもたちの集団を誘導するのも、お年寄りを誘導するのも、全て自身の責任において行っている。たとえ送迎付きで報酬が高くても、自分が居ない間に事故が起こることを恐れて出張の仕事も断ってきた。自分が忙しい時には、バス停でバスを待っている人やバイクタクシーの運転手に代わりに誘導を頼んだこともある。
「道を誘導するときには、たくさんの人の命を背負っているのだから、細心の注意を払って決して事故が起こらないようにしないといけないといつも考えています。だから常に平静でいるようにし、酒も飲まないようにしているんです」。2014年、ティンさんは交通に関するイベントで、「交通ヒーロー」の称号を与えられた。ティンさんは今日も町の人々を手助けして通りを行き来している。