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ホーチミン市都市排水有限会社の労働者達は毎日、下水道のマンホールに潜って底に溜まった様々なごみを掃除している。ヘドロからガラスのかけらや注射針に至るまで危険がいっぱいだ。
マンホールの底で真っ黒な汚水に浸かりながらバケツにごみを入れ、上で待ち受ける同僚に引き上げてもらう。バケツから垂れる汚水が頭に降り注ぐ。引き上げたバケツのごみを大きな容器に移して作業が続く。周囲には汚臭が立ち上り、道行く人は鼻を押さえて通り過ぎる。
下で作業をしていたNさん(41歳)は、汗をびっしょりかいてグッタリした。マンホールの中はすさまじい汚臭で呼吸がまともにできないという。Nさんはこの仕事に携わって16年になるが、最も嫌な仕事は5区のキムビエン市場など化学製品を生産・販売している地区の浚渫だと明かした。
「化学薬品が溶けた下水に肌が接すると、かゆくなって腫れ上がってしまいます。すぐに洗い流して薬を塗っても、治るまでに数日かかります」。Nさんによると、染色やセメントの工場がある地区や工事現場近くの下水の浚渫も、通常より苦労するという。