(C)Nguoi Lao Dong, 研修に参加したグエン・ティ・フオン・ザンさん(右から2番目) |
理論上は理解していても、実際にやるとなるとそう簡単ではない。宇宙シミュレーションプログラムで彼女の所属する8人のチームに与えられた任務は「無重力空間におけるスペースキャンプ作り」だった。ほんの数歩先に資材を運ぶだけでも思うように動けず、体が逆さまになってしまう。運ぶ作業だけでヘトヘトになり、全てを組み立て終わるまでに相当の時間を要したという。
また、生存訓練では、ロケットのシミュレーターに入って飛行中に突然落下したり、無重力空間でプロペラのように回転する体験もした。彼女は、「訓練が終わった時には皆、顔から血の気が引いていました」と訓練と言えども本番さながらの体験を振り返った。
出来るとは思っていなかったことが、意外と簡単に出来たと感じたことも多かったという。彼女のチームのミッションは、高温環境の中で宇宙飛行士の生命を守ることだった。8000度にもなる熱源のそばに、宇宙飛行士に見立てた卵を置く。簡単な設備を使ってその卵を保護しなければならない。米国の現役宇宙飛行士も加わった専門家たちの指導のもと、彼女たちはアルミシートと木材を使って、安全に卵を保護する器具を作り上げた。
現在の彼女の心配ごとは、感性が「麻痺」してしまっているかのような科学科の学生たちのこと。どうすれば彼らの関心を鼓舞することができるのか、彼女は考え続けている。そしてまた、これはハネウェル社の考えていることにも共通する。「教師たちに感動を伝えて欲しい」。ハネウェル社はその思いの一つとして、この実習を開催している。