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ある店主が教えてくれた。「私たちは経営の責任を分散したいので共同で店をやっています。このようなスタイルは経験の少ない若者には適していると思います。収入はそれほど多くはありませんが、よりたくさんの人と繋がれます。最近のように暑い時期は、どの店もお客さんでいっぱいで、中には芸能人の常連客もいます。」
そうは言っても誰でもこの市場で成功できるわけではない。店を開くには、手伝ってくれたり、知り合いを連れてきてくれたりする大勢の友人の助けが必要だ。店を開いた経験のある若者が教えてくれた。「土地を借りないかぎり、100万ドンも出せば、この市場に参入することができます。ドリンクを混ぜる器具、アイスクリームコーン、椅子など最低限必要な物だけを用意すればいいからです。しかし、ある程度の規模でしっかりやろうとすれば、最初に投じる資金も数千万ドンに膨れ上がります。」
また、店を開くには歩道を占領する必要がある。このスタイルの店の真骨頂は“露店”だからだ。違法な路上店舗を取り締まる都市管理隊から逃れるために、お客もろとも椅子を抱えて逃げ出さないといけないことも多々ある。早い、安い、便利。これが若者たちを惹きつけてやまない理由といえるだろう。
店を開くための準備期間は一概にかなり短いが、趣向を凝らしたレモンティーの味は千差万別だ。仄かに風味がするレモン水をベースにする店もあれば、やわらかい風味を増すためにパイナップルを入れてアクセントを付ける店もある。誰でもすぐに美味しく作れるわけではない。上手に作れるようになるまでには勿論練習が必要だ。甘すぎても、濃すぎてもいけない。客を呼べる味を出す秘訣は、どの店もが知り得るものではない。かくも奥深き“レモンティー市場”。そう考えれば、現在の流行も納得できるだろう。