アメリカに住むある親孝行な越僑(外国在住ベトナム人)の兄弟たちの話が、米ヘラルド・トリビューン紙に紹介されている。
今年75歳になる母レ・リーさんの家族がテキサス州ワコにやって着たのは今から33年前のこと。そのころは生活が苦しく何かと助けを必要としたため、バプテスト教会の信者にならざるを得なかった。一家の生活は奮闘の日々の連続だったが、リーさんは心の中でずっと祖国にあるようなお寺を建てるという夢を持ち続けていた。
そんな苦労も報われ、今では息子のレ・カムさん(43歳)はスーパーマーケット「B&Bエクスプレスマート」のオーナーになった。また、一家はこの地域にもう一軒のレストランも持っている。カムさんはほかの3人の兄弟たちとともに、母の夢を実現させるのは今しかないと思ったという。
リーさんは息子たちの申し出を受け、3度もベトナムを訪れて、自ら寺の様式や建設資材などについて決めていった。寺の建設はアメリカの大工が手がけた。「とても幸せな気持ちでいっぱいだ。母は長い間私たちの面倒をよく見てくれた。これからは私たちが母の恩に報いる番だ」。カムさんは感謝の言葉で締めくくった。