グエン・ミー・レは1980年ダナンに生まれ、1991年より家族と共にカナダへ移り住んだ。2006年4月にカナダのライアソン大学看護学部を卒業した。仕事に就く前に一度、16年間離れていた古里を訪ねてみよう、そんな軽い気持ちだった。
中学の頃から写真を撮るのが好きで、常に見たことのない風景を探しているような女性。今回のベトナム行きに際しては、故郷の写真をたくさんとってカナダの友達に見せたいと思っていたという。
ダナンを歩き回っていた時、彼女はある家で数枚の写真に出会う。その写真がとても気に入ったので作者をたずねると、それはダナン在住の写真家たちによるものだった。運命の歯車が回転した瞬間だった。そのメンバーの案内でニントゥアン省のファンランやファンリーなどの砂丘地区や船着場などを訪れると、写真家ならだれもが望むようなシーンや、シャッターチャンスに幾度も恵まれたという。こうして初めての写真展が開かれることになった。
写真家のミー・ズンは、彼女の写真には「魂があり、個性がある」と賞賛している。彼女の写真はベトナムへの深い愛情を感じさせ、どんな人をも笑顔にしてしまう力を持っている。「生まれた場所から遠くはなれて暮らす人間の古里に対する思いと受け止めてもらえれば」と彼女は語る。
彼女の初めての写真展「ベトナムの愛すべき風景たち」は、ダナン市で1月中旬に開催され、81の「生活風景」を切り取った作品が展示された。この後、ハノイ市やカナダでも同様の写真展が開かれる予定だ。