テキサス州ヒューストン市は全米で3番目に越僑の人口が多い都市、このためベトナム料理レストランの数も全米有数の規模である。
オーナーのキムソンさんはレストラン経営分野で最も成功した越僑の1人だ。キムソンレストランは1993年、同市の中心部で営業を開始し、広さ4000?の店内には一度に500~600人の客を収容することができる。料理はベトナム料理のみだが、味の評判は良く、テキサス州全土から客が訪れるといい、5月には4店舗目を開店する予定だ。
同市内でスーパーを経営するハーさんによる4店舗目のスーパー"ホンコン4"の広さは駐車場を含めるとなんと、サッカー場が2、3個も入る規模で、食品売り場のみでサッカー場1つ分の広さであるという。
同市在住の越僑は経営分野のみでなく、文化、政治の面でも成功を収めている。現在、州議員(民主党)を務めるボー氏は1975年に渡米し、バスのチケット売りやコックなど下層労働者として働きながらも大きな志を持ち続け、今の地位を確立した。
同市にはベトナム系の生徒を支援する非営利団体が活動しており、毎年、成績優秀者は表彰され、奨学金や全米の有名大学への推薦も受けることができるという。また同市はNASAの本部が置かれている場所でもあり、約200人のベトナム人エンジニアが働いている。
ここヒューストンは越僑成功者を輩出する街との名の通り、地域に密着したベトナム語放送のラジオ局が4局とテレビ局があり、ベトナム語の新聞は約10紙あるが、そのほとんどが無料配布されており、生活に関するあらゆる情報が母国語で入手できるのである。