交通整理を行うために設置される交通信号であるが、ホーチミン市内の数ヶ所のロータリーでは信号を設置したことにより、逆に交通渋滞が起こっている。問題となっているのはディエンビエンフー通りとソヴィエトゲティン通りの交差点にあるロータリー(ビンタイン区)、8月革命通り、2月3日通り、ヴォーティサウ通りなどが集まるロータリー(3区と10区の境界)、ゴーバップ区の五つ叉ロータリーなどだ。
あるホーチミン市交通警察局幹部は「これは信号設置の常識に反している」と認める。本来ならば、信号を設置した場所の交通量が増加した場合、交通渋滞解消を目指してロータリーを設置するのだが、今回の場合は逆である。これでは信号を設置する効果が望めない。ランチャンカーのロータリー(タンビン区)では信号を設置したために、コンホア通り・ホアンヴァントゥ通りで数百メートルに渡る渋滞が起こるようになったという。
ダオズイトゥー通りとゴークエン通りの交差点(10区)や6区の道路の交通量は少なく、信号が設置されているが信号無視するものが多い。グエンチャイ通り(5区)では交差する道路の交通量が少なく、大量のバイクが一気に信号無視をしていく。ハイバーチュン通りとチャンクオックトアン通り(1区と3区の境界)では、タンディン市場が近いために頻繁に渋滞が起こる。特に午後5時-7時にかけては、渋滞がキエウ橋を超えて、ファンディンフン通り(フーニュアン区)にまで達するほどだ。この時間帯、信号はもはやその意味をなくし、数十人の公安職員や青年交通隊が出動し、ようやく渋滞が和らぐ。
交差点への信号設置にかかる経費は1基あたり1億5000万ドン-2億ドン(約108万-144万円)と言われているが、ただ「黄色」が点滅しているだけの信号がトンドックタン通り・リートゥチョン通り、ナムキーコイギア通り・レユアン(レズアン)通り、8月革命通り・ブイティスアン通りなどの交差点に存在する。これでは信号を設置した意味がまるで無い。信号やロータリーを設置する場合には、交通量調査を行い、本当に必要であるかどうかをしっかりと検討しなくてはならない。