ここ数年、ベトナム航空はかなりの経営努力を行ってきたが、いまだ国際競争力のある航空会社には程遠い。グイラオドン紙記者がベトナム航空の問題点について考える。
第一の問題は価格だ。ベトナム航空の海外発ベトナム便の運賃は、他の航空会社より高いのが普通である。たとえば、12月のシドニー発ホーチミン便は、1,800オーストラリアドル以上(約156,860円, 8月運賃の2倍)、対してシンガポール航空やタイ航空、中華航空など他社便は150−200オーストラリアドル(約 13,071円-17,428円)安い。ベトナム航空は直行便で乗り換えの煩わしさがないとはいえ、このような価格では、シンガポールやバンコクで3時間待ったほうがまし、と考えるのが普通だろう。
サービスの改善も必要だ。5年前に比べると、サービスの改善は著しく、どの外国の航空会社にも負けないサービスを提供するようになったが、それは機内だけのこと。地上係員、特に市中の支店となるとまるでお話にならない。地上係員の接客態度といったら、官僚的で威張りちらしており、しかたなく服務してやっているのだ、といった様子である。記者は一度、あまりに不愉快だったため、ベトナム航空の利用をあきらめ、シンガポール航空に航空券を買いにいってしまったほどだ。何しろシンガポール航空は、客を客として扱ってくれるのだ。
各種手数料も問題だ。規定によれば、フライトキャンセルの手数料は1回50米ドル。50ドルという額について異論はないが、問題はキャンセル手続きの方法だ。南部でキャンセル手続きができるのは、ホーチミン市1区のベトナム航空支店だけなのである。ホーチミン市から500キロ離れた地域に住む乗客に対しても、50ドル払うためにホーチミン市に来いと言うのだろうか。
第3の問題は、貧弱なウェブサイトだ。ベトナム航空はウェブサイトを開設しているが、これはどうも「作るだけは作ってみた」代物のようだ。顧客に必要な情報はただひとつも掲載されていない。更新もされないし、フライトスケジュールのページに至っては、リンクが切れているといった有様。国家の顔であるフラッグキャリアがこんなことで良いのだろうか。
記者の挙げた上記の問題点は経営陣にとってどうでもいい問題かもしれない。しかし乗客にとっては決して小さい問題とは言えないだろう。ベトナム航空がこれらの問題を解決し、国際競争力をつけてもらうことを1乗客として期待してやまない。