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カムラン−ニャチャン観光振興の計画と現実

2005/10/20 07:17 JST配信

 2004年5月19日、ニャチャン空港に代わりカムラン空港が開港した。南中部カインホア省にあるカムラン湾はその地形から天然の良港として60年代にはアメリカ軍が、79年以降はソ連軍が駐留した軍事地区である。そしてカムラン空港も民用空港として開港するまでは軍事空港として使用されていた。

 民用空港として再出発する過程で、カムラン空港から40km離れたニャチャン市内を結ぶ北カムラン半島大通りの建設が開始され、通り沿いの一部を一大リゾート地として開発する計画が2003年に立案された。しかし開発計画が持ち上がるとほぼ同時に全54区画に国内投資家が押し寄せ、計画が公に発表された時点では既に空き用地はなくなっていたのである。

 その後、国内投資家は土地の明渡しを受けた。しかしその後はどうであろうか。カムラン空港が開港し既に1年以上が過ぎようとしているが、開発は一向に進まず投資家は使用権を得た土地を「抱き」続け現在に至っている。

 またカインホア省はこの開発計画に対し、2003年からオーストラリアのPTW建築社とコンサルタント契約を結んでいる。同社が2005年4月に発表した各開発案件に関する調査によると、この54案件のうちほとんどの案件で開発計画の修正が必要だと判断されたほか、14案件は本来の観光関連投資から外れた目的外開発を行なおうとしていたことが分かった。

 カインホア省ではこれらの投資家に対し、開発計画の修正を指示すると共に、これまで規定していた1ヘクタールあたりの最低投資額を150億ドン(約94万4,000米ドル)から250億ドン(約157万米ドル)へと引き上げ、投資の質の向上を図ることも決定した。このほか今後投資家に対し、あらためて投資能力を判断する財務調査を実施する方針。

 この開発の遅れは国内投資家のみに非があるとはいえない、用地の位置する北カムラン地区には未だ南カムラン地区からの電線が仮設されているのみで、インフラ整備の進捗状況も遅れている。またこの国内投資家への土地の明渡しに絡み、省の高官が便宜を図るなど汚職事件も摘発されている。省の発展を促すはずの一大プロジェクトが汚職の舞台として脚光を浴びるなか、開発用地は今も手付かずで広大な更地を観光客にさらしている。

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