近年のスーパーマーケットの相次ぐ開店は、消費者の買い物に対する考え方をこれまでの骨の折れる市場から快適なショッピング空間に変え、またベトナム製品の発展にも一役買っている。しかし、先進諸国でスーパーマーケットとは大量仕入れ大量消費で物が安く買えるというのが常識になっているが、ベトナムではこれが当てはまらない。ベトナムのスーパーマーケット経営者が庶民のスーパー人気を逆手に取った横柄な商売をもう少し考え直してくれさえすれば消費者はこれまでのように高い買い物をしなくてもよくなるのだが、、、この特集ではベトナムスーパーマーケットの商品がどうして高いのかを取りあげる。
---売上の25~50%がコミッション--
商品の生産者にとって自社製品の販売路を開拓するのは実に時間を要し、またこれがビジネスの明暗をわけると言っても過言ではない。このような理由からこれまでの市場や個人商店などの既存の販路に加え現在人気のスーパーに販路を見出すのは自明の理である。しかしながらスーパーに商品を卸す、またはスーパー内で商売をするとなれば高額な販売コミッション、高額なテナント料、さらには商品を陳列してもらうための“心付け”が必要になってくる。
第10縫製社ホーチミン支店のVu Thi Hien支社長は「私自ら市内にある各スーパーに自社商品の紹介をし陳列してもらうように営業に行ったんだが、どのスーパーも高額な販売コミッションを要求するんだ、例を挙げるとMetroスーパーが30~35%、Big C(旧Cora)スーパーが30%、Co.orMartが25%、さらに他にも払わなければいけないものもあるしね」、と苛立ちながら話し、さらに「当社は海外に輸出もしているんだが、海外には商品を送り出せても、国内のスーパーには送り出せないなんて皮肉だね」と続けた。
Hai Duong製陶社ホーチミン支店のThai Van Hai支社長はもしスーパーに商品を卸すことを計画しているならよほど辛抱強くやらなければだめだと話す。Hai支社長はこれまで自らスーパー詣でに何度も赴き、さらに何人もの人々に頼み、このたび2年越しの結果が晴れて結ばれスーパーに商品を卸せるようになったという。
Son Kim社(女性下着ブランドVeraと女性服ブランドWoWを持つ会社)のNguyen Ba Binh代表は、「市場へ卸すほうが販売コミッションが少なくて(15~20%)済むのはわかっているんだけど、どの会社もこれからは市場よりもスーパーが流通の柱になるのがわかっているから競って今のうちからスーパーに商品を卸して実績を積んでおきたいたいんだ。」我を争ってスーパー詣でをしどうにか商品を“滑り込ませて”もらおうか必死になっている今のスーパーをめぐる状況をこう明らかにする。
さらに、「我々はこれまで多くのスーパーに営業に行きましたがやはりどこも30%から多いところは50%もの販売コミッションを要求してきました。そんな状況の中これに応じたのですがこれまで一向にスーパー側からは回答がありませんと嘆く。、高額の販売コミッションを払わなければならないにも関わらず、このような結果だということは、スーパーに商品を卸したい業者がたくさんいると言うことである。
これら業者のため息と共に出てきたのが“販売コミッションが高すぎる”と言う言葉であったが、これに対しBig Cドンナイ店のNguyen Xuan Hai店長は「食品以外の商品については販売業者が販売価格を設定しそれに対し販売コミッションを得ている。スーパーがコミッションを得ている理由はスーパーは付加価値税(VAT)10%も支払っているし、電気代、人件費、、、それにスーパーの価格は市場より安くなっているからね(??)とその正当性を示した。<続く>