11月19日から21日まで3日に渡り開催されたベトナム−日本観光文化祭、両国の様々な文化を体験できたことは忘れがたい事実である。しかし、その一方まだまだ議論が必要な点は残っている。
観光文化祭の開催目的はベトナム文化を日本や海外からの観光客に対し紹介するという趣旨であったが、実際に会場へ足を運んでみると日本人の姿は少なく、ほとんどが地元の人々ばかりだということがわかる。そしてその中のほとんどが、面白そうだから見に行こうかという理由や週末を家族で過ごそうとたまたま中心街へ訪れた人々であった。
会場で出会った海外からの観光客PatrickとJaselynは、彼らはホーチミンに2日ほど滞在しているが、この文化祭のことはたまたまホテル内で夕食をとっていると、遠くの方が賑やかで大勢の人々が集まっているのを見て初めてイベントを知ったと語った。
ま た、ドイツ人ビジネスマンで現在ブンタウ市駐在のFranz Schusterさんは、私は毎日、新聞を読んでいるが英字新聞ではこの文化祭に関する情報は何も目にすることはなかったといい、たまたま付近を通りかかりこの会場にやってきたという。
さらに、1人旅中のRomanさんは、どうしてこれほどの文化フェスティバルに多くのヨーロッパ人が来ていないのだろうか、私は多くのアジアの国を訪れているが、タイ、中国、シンガポールで同様のイベントが開催されれば、開催のだいぶ前からイベントの詳細や詳しい情報が手に入り、多くのヨーロッパ人が訪れるという。
多くの海外観光客が訪れる問題以前に、会場のゴミの始末の悪さにも言及する必要がある。今回会場に設置されたゴミ箱の数はこのような大規模イベントを開催するにはあまりにも少ない数で午後8時にはすべてゴミ箱からゴミが溢れ散乱していた。また、ベトナム文化を象徴するものとして会場に展示されていた小船や釣り網はなんと巨大なゴミ箱と化していたのである。
そのほか、会場にはベトナム農村の雰囲気を出すため水を溜めた多くの甕(かめ)と木製の手桶が用意されていたが、訪れた人々は次々に手桶に水を汲み周りを水浸しにしており、たまたま通りがかった日本人観光客夫婦がそのぬかるんだ地面に足を踏み入れた時のいやな表情を目撃してしまった時には言葉がなかった。
このように、盛大に行なわれたベトナム−日本観光文化祭、まだまだ課題点は多く、真の観光PRを行なうには根本から再考する必要がある。