本日(19日)午後6時より、ホーチミン市内でベトナム・日本観光文化祭が3日間に渡り開催され、日本から約3500人が訪れベトナム、日本文化紹介、ファッションショー、コンサートなど様々なイベントが行なわれる。
ベトナムを訪れる日本人観光客は1999年の11万3000人から2002年には28万人へと2倍以上に増加し、2003年にはSARSの影響で一時落ち込んだが今年2004年は観光ビザ免除の効果もあり着実に入国者数を伸ばしている。
観光総局が発表した今年10月までの日本人入国者数は21万5856人で、昨年同時期に比べ30%の増加となっている。最近の観光客に対する観光形態の傾向調査によると、以前はほとんどがツアー客で団体行動であったが、ここ数年は航空券、ホテルのみ予約し現地でツアーに参加したり、自由行動を取る、いわゆるフリーツアーが主流になっているという。
さらに、ベトナム国内都市への観光も分散化の傾向にあり、以前は日本人観光客のほぼ100%がホーチミンのみを訪れていたが、最近ではハノイなどの北部地方への観光客数も増加している。数年前にはハノイを訪れる観光客は全体のわずか10%程度であったが、昨年、今年は20~30%に増加しているという。
ベトナム観光総局によると、日本人をはじめとした海外からの観光客増加に伴い外資系企業による観光関連投資も増加している。現在ベトナムには約200件の外資系企業によるホテル・リゾートなどの観光投資事業が行なわれており、投資総額は60億米ドルに上るという。
現在もこれら観光施設の建設が進行しており、Quang Nam省のMonier Binh Tayプロジェクト(投資額3680万米ドル)、Binh Duong省の国際スポーツリゾート施設(同9000万米ドル)、Vung Tau省のDai Tay Duongカジノ&リゾート(同9000万米ドル)などが建設中である。
またベトナム観光業界では通常の観光客のほかに、国際会議などのビジネス客の誘致にも力を入れ始めている。国際博覧会や国際イベントなどで訪れる入国者は平均で通常の観光客の10倍から20倍の外貨をもたらすとあってサイゴンツーリスト社では現在、ホーチミン市に総投資額2億5000万米ドルの国際会議場建設を計画しており、国際会議分野などでも入国者数増加を狙っている。
このように海外観光客の増加に伴い観光施設も徐々に充実を図り、これから更なる観光発展のステップを迎えるベトナムで今回開催される「ベトナム・日本観光文化祭」。ホーチミン市では緊急時に備え会場に救護所を設営し、医師1名、看護士2名を常駐させ万一に備えるほか、同市1区、3区の中央診療所とサイゴン病院など1区、3区内の病院も緊急受入れ体制を整え開幕の時を待っている。