[社会]
華人系不動産大手VTPを巡る違反事件、主犯格のラン会長に死刑判決
2024/04/12 06:43 JST更新
(C)PLO |
ホーチミン市人民裁判所は11日、華人系不動産大手VTPグループ(Van Thinh Phat Group)の違法社債発行や、VTPと密接なコネクションがあるサイゴン商業銀行(SCB)による銀行業務違反など一連の事件の裁判で、被告86人への判決を下した。資産横領罪などに問われていたVTP会長のチュオン・ミー・ラン被告(女・68歳)には死刑判決が言い渡された。
同事件は、VTP会長のラン被告が、経営支配権を掌握していたSCBを介して国民や企業から資金を調達し、不動産投資などの名目でSCBにVTP系列企業向けの違法融資を行わせ、同行に多額の被害をもたらしたというもの。
主犯格のラン被告は、起訴されていた3つの罪で全て有罪となり、◇資産横領罪で死刑、◇金融機関における融資規定に違反した罪で禁固20年、◇贈賄罪で禁固20年の判決となった。さらに、約674兆VND(約4兆1100億円)の賠償金の支払いを命じられた。
ラン被告は2011年、◇SCB、◇ティンギアバンク(Tin Nghia Bank) 、◇フィコムバンク(Ficombank)が統合する形で誕生した新生SCBの経営支配権を掌握。SCBの資本金は2012年1月1日時点の10兆VND(約610億円)から15兆VND(約915億円)に引き上げられた。
ラン被告は逮捕までに複数の個人・企業の名義を介してSCB株85.0~91.5%を保有。SCBの経営には直接参加していなかったが、側近らがSCBの要職を務めていた。残るSCB株は小口株主約4000人が保有していた。
VTPは国内外にペーパーカンパニーを設立する形で1000社以上の系列企業を保有し、ラン被告の指示のもと、SCBは担保資産を審査せずにVTP系列企業に違法融資を繰り返し実施した。
結果、VTP系列企業は債務不履行となり、SCBは多額の不良債権を抱えることになった。検察側によると、融資金や利息などを含め、被告らによってSCBが負うことになった担保資産相殺後の被害総額は498兆VND(約3兆0400億円)に上る。
裁判所は賠償金の回収を確実とするため、引き続き同被告の資産を差し押さえるよう命じた。
[Phap Luat 11/04/2024 U]
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved.
このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。