VIETJO - ベトナムニュース 印刷する | ウィンドウを閉じる
[社会]

ホーチミン:小さな路地のイスラムコミュニティ

2023/07/29 10:35 JST更新

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
 ホーチミン市8区ズオンバーチャック(Duong Ba Trac)通り157番地の路地には、イスラム教を信じるチャム族の人々が多く生活している。

 ホーチミン市内にある16のイスラム教区の中で、およそ3000人と最も教徒の多い地域であり、アンワル教区のチャム族コミュニティ管理委員長を務めるハジ・キム・ソーさん(72歳)によると、この地域に住む人はほとんどが、南部メコンデルタ地方アンザン省チャウドックにルーツを持つ、1960年代に移り住んできた人々だ。昔はこの地域の土地が安かったため、ここで人々が生計を営むようになり、だんだんとコミュニティが形成されていったのだという。

 「街」の中心はモスク「ジャミウル・アンワル(Jamiul Anwar)」。1966年からあるモスクで、2006年に現在の建物に建て替えられた。

 イスラム教徒は1日5回、決まった時間にこのモスクで礼拝をする。礼拝堂の中で祈りを捧げることができるのは男性のみで、ラマダン月(イスラム教徒の断食月)にのみ、女性も入ることができる。

 この地域の人々は、外出する時、礼拝をする時に伝統衣装を着用するなど、独自の文化を維持している。女性は自宅にいる時も、外出する時も、スカーフで頭を覆う。ソーさんによると、昔はイスラム教の女性が外出することは稀で、外出時には大人か夫が付き添っていたが、今は緩やかになったという。

 この地域の家庭の職業は様々だが、小商いをしている人が多い。生活必需品のほかに、チャム族伝統の食品やハラール食品(イスラム教の戒律によって食べることが許された食品)を扱っている。

 チャウドックから移り住んで5年になる女性アイサルさん(52歳)は、この地域でチャム族やメコンデルタ地域のお菓子を販売している。「都会での暮らしは田舎より窮屈ですが、商売はしやすいです。朝から昼までで毎日20万VND(約1200円)の稼ぎになります」と話した。

 その近くに住む男性アリさん(58歳)は、自宅の軒先で雑貨を商う。いつも伝統衣装を身につける彼は、この地域への移住者の第1世代であり、すでに子、孫と3世代になった。

 女性サキナさん(32歳)は、幅2mにも満たない借家で子供に勉強を教えていた。父親とこの路地で暮らして10年、食べ物を売って生活している。「イスラム教の子供たちは、ベトナム語のほかに、チャム語を勉強するんですよ」と彼女は話した。

 イスラム教を信じるチャム族の人々はホーチミン市におよそ1万人。主にビンタイン区、フーニュアン区、1区、6区、8区内の15のエリアに集まって暮らしている。 

[VnExpress 06:29 13/7/2023, F]
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved.


このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。

印刷する | ウィンドウを閉じる