[社会]
医療従事者の大量退職、「ブラック」環境コロナで拍車
2022/07/07 14:39 JST更新
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ファム・ミン・チン首相はこのほど、医薬品や医療物資の供給確保、医療分野における人材確保対策について、関係省庁と話し合った。
この会議でドー・スアン・トゥエン保健次官が、特にこの1年半ほどの期間に、公立医療機関における職員の退職、休職が増加していることを報告した。
トゥエン次官によると、各地方からの2021年と2022年上半期(1~6月)の報告では、合計9397人の医療従事者が退職している。うち2021年の退職者が5284人、2022年上半期の退職者が4113人。
退職者が多いのは、ホーチミン市、ハノイ市、東南部地方ドンナイ省、同ビンズオン省、南部メコンデルタ地方アンザン省、南中部沿岸地方ダナン市などで、ハノイ市保健局によると、2021年にハノイ市の医療分野では全体で532人が退職、82人が異動を願い出た。2022年1月から4月30日までの期間では226人の退職者と17人の異動希望者が出ている。
公立医療機関の職員の退職が相次いでいる理由についてトゥエン次官は、原因は様々だが、主には、給料で生活を支えられないこと、民間医療機関の待遇が良く、特に高度人材が流れていることだとしている。
「加えて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生以降、仕事のプレッシャーがより大きくなり、激務を強いられている。日ごろから忙しい仕事ながら、コロナ対策でさらに業務量が増え、コロナが収束したと思ったらまた別の多くの仕事が発生する。職場環境は危険で病気にかかる可能性が高く、生命に危険が及ぶ可能性もある」とトゥエン次官は言う。
ほかにも、家族や健康上の理由、このところ摘発が相次いでいる医療機関の調達・入札に関する法令違反による心理的影響といった原因もある。
こういった状況を受けて保健省は、医療職員の手当引き上げなど、人材確保対策を政府に提案している。
[Vietnamplus 20:16 04/07/2022, F]
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