ハノイ：バイクを強奪されたごみ収集の女性に警察や市民らが4台寄贈 [社会]

　ハノイ市ナムトゥーリエム区ダイモー(Dai Mo)通りで3日午前3時30分ごろ、4人組の強盗が勤務中のごみ収集担当の女性からバイクを奪うという事件が発生した。事件の一部始終が近隣の民家の監視カメラに映っており、映像がインターネットに投稿され、大きな反響を呼んでいる。

　この日、ハノイ都市環境有限会社カウジエン支店に勤めるL・T・Tさん(女性・39歳)が人気のない道路にバイクを停めて作業を開始しようとしたところ、ナンバープレートがないバイク2台に乗った4人組の男が現れ、Tさんを取り囲んだ。

　Tさんは涙ながらにバイクを奪わないでと懇願したが、男らはTさんを大声で怒鳴って鉄棒で脅し、うち1人がTさんのバイクに乗って全員でそのまま現場から逃走した。

　通報を受け、ナムトゥーリエム区警察は捜査を進めると共に、皆でお金を出し合ってバイクを購入し、Tさんに寄贈した。Tさんの境遇を知った別の市民3人も、Tさんにそれぞれ1台を寄贈した。1台の価値は約2000万VND(約9万5000円)とされる。

　同区警察の責任者は「新型コロナ禍で生計手段を奪われたTさんにとても同情した」と語り、強盗らの逮捕を約束した。

　Tさんは「奪われたバイクを取り戻すことだけを望んでいますが、こんなにも多くの人たちに手を差し伸べてもらい、胸がいっぱいです」と感想を述べ、4台のうち2台は自分と同じく経済的に余裕がない同僚2人に贈ったという。

　なお、ハノイ市警察は5日、強盗容疑で指名手配されていた4人のうち、ブイ・クイ・ズオン容疑者(18歳)とチン・ミン・ヒエウ容疑者(19歳)を逮捕。警察は引き続き、残る2人の容疑者の行方を追っている。

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