国営ペトロリメックス傘下企業の社長が逮捕、偽ガソリン密売ルートに関与で [社会]

　東南部地方ドンナイ省警察は15日、公安省刑事警察局(C02)および南部メコンデルタ地方ロンアン省警察と協力して、ペトロリメックス・ロンアン(Petrolimex Long An、ロンアン省タンアン市＝TP. Tan An)の事務所の立ち入り検査を実施し、ルオン・ディン・ティエン社長(男)を逮捕した。ティエン社長は、偽ガソリン2億Lの密造・密輸・密売ルートに関与した疑いが持たれている。

　ペトロリメックス・ロンアンは、石油・ガソリン小売最大手ペトロリメックス[PLX](Petrolimex)傘下企業。なお、企業における国家資本管理委員会(CMSC)がPLX株75.9％を保有し、筆頭株主となっている。

　ティエン容疑者は、ファン・タイン・フウ容疑者(男・64歳、ホーチミン市在住)とグエン・フウ・トゥー容疑者(男・64歳、南部メコンデルタ地方ビンロン省在住)の2人が率いていた偽ガソリンの密輸・密造・密売ルートに関わっていた疑いがある。

　ティエン容疑者は2020年10月に同社の副社長から社長に昇格した。国営系企業の社長が偽ガソリン密造で逮捕されたのは、これが初めて。

　ドンナイ省警察は2020年末、低品質のガソリンが市場に出回っているという住民からの告発を受けて捜査に乗り出した。その後、2月6日にC02と協力して警官約500人体制で立ち入り検査を実施し、偽ガソリンの密造ルートを摘発。これと同時に東南部地方ドンナイ省、同バリア・ブンタウ省、南部メコンデルタ地方ロンアン省、ホーチミン市など複数省・市の計13か所で立ち入り検査を実施した。

　警察は一連の立ち入り検査で、現金1000億VND(約4億7000万円)余り、土地使用権証明書50部、船舶2隻、はしけ5隻、タンカー車6台、偽ガソリン268万Lなど多数の証拠物件を発見・押収した。同ルートでは毎日、市場に偽ガソリン100万Lを売り出し、2020年8月から摘発されるまでに約2億Lの偽ガソリンを売りさばいたとされる。

　同事件には国の複数幹部が関与したとされ、ベトナム共産党汚職防止中央指導委員会は非常に深刻な事件として受け止め、捜査を直接指導して監視するとしている。

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