[社会]
ホーチミン:4区元裁判官らに禁固刑 元家主による住宅乗っ取りに関与
2020/12/31 16:00 JST更新
(C) thanhnien |
ホーチミン市1区グエンビンキエム(Nguyen Binh Khiem)通り29番地にある民家で2019年9月、現家主の留守中に以前の家主が警備会社のスタッフを雇って住宅を奪い返そうとした事件で、同市人民裁判所は30日、「乗っ取り」に関与した4区の元裁判官と同市検察業務訓練校の元講師の2人に有罪判決を下した。
ラム・ホアン・トゥン被告(男性・30歳)とグエン・ハイ・ナム被告(男性・46歳)の2人は他者の住宅を侵した罪に問われ、禁固2年と禁固1年5か月の判決をそれぞれ言い渡された。
事件が発生した2019年9月19日、検察業務訓練校の講師だったトゥン被告と4区の裁判官だったナム被告は、制服姿の警備会社スタッフ10人あまりと共に、この住宅に押し入り、ここに住む家族を家の外に追い出した。警備会社スタッフらはその後、同月28日に1区警察に強制退去させられるまで、住宅に居座って占拠を続けた。
この住宅の合法的な所有者はH・T・A・Cさん(女性・38歳)だが、事件発生時に住んでいたのは、この事件で家から追い出されたH・T・T・Tさん(女性・37歳)ら家族。Tさんは2017年、当時まだ建設途中だったこの住宅をCさんから購入し、取引額250億VND(約1億1300万円)のうち160億VND(約7200万円)を先払いした。
契約では、譲り主であるCさんが住宅の建設手続きを済ませた上で所有権をTさんに移し、その際にTさんが残りの代金を支払うこととしていたが、Cさんは所定の手続きを行わなかった。これをめぐって2人の間で争いが生じ、Tさんは2018年4月に1区人民裁判所にCさんを提訴し、自腹で工事費などを支払って住宅を完成させ、2019年3月に入居した。なお、この裁判の判決は今もまだ下されていない。
Tさんは事件が発生するまで、この住宅で家族と家政婦と暮らし、一部を貸し部屋にしていた。事件当日、被告らがTさんの幼い子供たちを抱きかかえて連れ出す際、子供たちが泣き叫んだため、騒ぎに気付いた隣人らが阻止に入り、辺りは一時騒然となった。この時の様子を撮影した動画がインターネット上に投稿され、世間でも大きな反響を呼ぶこととなった。
被告らは、問題の住宅はTさんの合法的な住宅ではないことから、「住宅侵害罪」を認めておらず、えん罪を主張している。
[Thanh Nien 17:48 30/12/2020 U]
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