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[社会]

ハノイ:土地収用に反対した村民による警官殺害事件 主犯格2人に死刑

2020/09/16 05:09 JST更新

(C) ZING
(C) ZING
 ハノイ市ミードゥック郡(huyen My Duc)にあるミエウモン(Mieu Mon)軍用空港の土地占有事件に関連し、今年初めに同郡ドンタム村(xa Dong Tam)で土地強制収用に反対する住民らが公務執行中の警察官3人を襲撃し殺害した事件で、同市人民裁判所は14日、被告29人に有罪判決を下した。

 同裁判では6人が殺人罪に問われていた。このうち、レ・ディン・コン被告(男・56歳)とレ・ディン・チュック被告(男・40歳)の2人が主犯格として特定され、死刑判決を受けた。この他、1人に終身刑、3人に12年~16年の禁固刑が言い渡された。

 残る23人は公務執行妨害の罪に問われ、執行猶予付き禁固15か月~6年の判決をそれぞれ言い渡され、23人中14人は判決が下された後、その場で釈放となった。

 民事上の損害賠償について、同裁判所は主犯格2人に対し、殉職した警察官らの遺族にそれぞれ賠償金1億1600万VND(約54万円)と、遺族の子供が満18歳になるまでの養育費の支払いを命じた。
 
 有罪判決を受けた被告らは、土地収用に反対する住民らの指導者で襲撃事件の際に死亡したレ・ディン・キン被告(男・84歳)の家族など。被告らはキン被告の指示に従い、レンガや石材、火炎瓶、ガソリン、手榴弾、ナイフなどを調達し、地元のガソリンスタンドや村長宅を爆破したり、老人や児童を拉致したりするなどと脅迫していた。

 殉職した警察官3人は、被告らを鎮圧中にナイフなどで襲われて穴に落下、さらにガソリンを浴びせかけられた後で火をつけられて焼死した。

 なお、キン被告はかつて、同村の公安長、人民委員会主席、共産党委員会書記を歴任した地元の名士として人望が厚かったが、任期中に同空港の国防用地を家族などの住民に違法に割り当てたとされている。

 国防省は1980年、ミエウモン軍用空港の建設用地としてドンタム村とチュオンミー郡ミールオン村(xa My Luong, huyen Chuong My)、同チャンフー村(xa Tran Phu)、同ドンラック村(xa Dong Lac)の用地を割り当てられた。

 同空港の建設が見送られた後、国防省は2014年に同用地を軍の駐屯地などとして使用することを決定したが、複数の世帯が土地を占有し続けていた。この土地を合法的に使用してきた14世帯は立ち退き補償に同意し、既にこの地を去っているが、キン被告らは最後まで立ち退きに応じなかった。 

[Zing 15:07 14/09/2020 U]
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