ハノイ：グラフィティアーティスト「シリル・コンゴ」のショールームがオープン [社会]

　ストリートアートで世界的に知られるベトナム系フランス人アーティストのシリル・コンゴ(Cyril Kongo)氏の作品を展示したショールームがこのほど、ハノイ市チャンティエン(Trang Tien)通りにオープンした。

　コンゴ氏は芸術という固定概念の枠を超えて、これまでに壁や布、窓、トランク、バッグ、スカーフ、ボトルラベル、時計、車、飛行機に至るまで、あらゆる物に描いた作品を発表してきた。シャネルやエルメス、リシャール・ミルなどのハイブランドとコラボレーションした作品も多い。

　ショールームに展示されている中で一段と目を引く作品「パリジャン(Parisian)」は2m×2mの大作で、価格は20億VND(約920万円)を超える。

　「グラフィティ」のアーティストへの称賛が込められた同作は、フランスにある同氏のアトリエで描かれたもので、制作期間は2か月。鮮やかな色を多用し、喜びや楽観性を表現している。作品上にはコンゴ氏を普段からサポートし、同氏が影響を受けたとする友人や同業者の名前が記されている。

　同氏オリジナルの色づかい技法「彩の魔女」が独創的なクリスタルの花瓶シリーズ「ウィズ・ラブ(With love)」は、フランスが誇るクリスタル工芸ブランドのドーム(Daum)とのコラボレーション。花瓶の蓋には18金がスプレーで施され、表面にコンゴ氏の指紋が残されているユニークな作品。花瓶の価格は1億0290万VND(約47万6000円)。

　コレクションには「シンガポール・ウィズ・ラブ」、「パリ・ウィズ・ラブ」、「ニューヨーク・ウィズ・ラブ」の3モデルがあり、世界で150個の限定品だ。

　ショールームには世界的ファッションデザイナーであるカール・ラガーフェルド氏とのコラボ作品も展示している。同作は古代エジプトの象形文字とコンゴ氏独自のグラフィック文字を融合させて、シャネルのデザイン精神を表現している。

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